福島県の地理・地図:東北の分水嶺、奥羽山脈の絶景と猪苗代湖の鏡面。阿武隈川と阿賀川が描く福島の大動脈、3つの地域が紡ぐ多彩な魅力。

 

福島県の地理・地図:東北の分水嶺、奥羽山脈の絶景と猪苗代湖の鏡面。阿武隈川と阿賀川が描く福島の大動脈、3つの地域が紡ぐ多彩な魅力。

 

福島県は本州の中北部、東北地方の南端に位置し、日本で3番目に広い面積を持つ都道府県である。

その広大な大地は多様な地形を誇り、東側は太平洋に面し、西には険しい奥羽山脈がそびえる。

県内は「浜通り」「中通り」「会津」の3地域に分けられ、それぞれ独自の地理的特性を持つ。

本記事では、福島県の山、川、平野、湖など、多彩な地形について詳しく解説する。

福島県の地理・地図:東北の分水嶺、奥羽山脈の絶景と猪苗代湖の鏡面。阿武隈川と阿賀川が描く福島の大動脈、3つの地域が紡ぐ多彩な魅力。

福島県の地理・地形・地図
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福島県の地域と山々

福島県の山々

福島県は東に太平洋、西に奥羽山脈を擁し、北は宮城県と山形県、西は新潟県、南は栃木県、南東は茨城県と接する。

県の地形は非常に多様で、太平洋側のなだらかな丘陵地帯から険しい山々まで幅広い景観が広がる。

奥羽山脈

西部の奥羽山脈には、磐梯山(標高1,816m)、吾妻山(標高2,035m)、安達太良山(標高1,700m)などの名峰が連なる。

安達太良山
安達太良山

これらの山々は福島県を縦断し、分水嶺として日本海と太平洋の流域を分ける重要な地形である。

南側では那須岳がそびえ、茨城県との県境付近には八溝山が鎮座している。

会津、南西部

南西部で燧ケ岳尾瀬ケ原などを介して群馬県と県境を接しているが、尾瀬の保護の観点から自動車での往来は不可となっている。

また、会津地方には磐梯山を中心とする火山地形が広がり、四季折々の美しい自然が楽しめる。

燧ケ岳
燧ケ岳

阿武隈高地

一方で、太平洋に面した地域では、北の宮城県境から南側の茨城県まで阿武隈川と太平洋にはさまれた阿武隈高地がなだらかな山地を連ねている。

阿武隈高地と太平洋にはさまれた海岸線には相馬市南相馬市いわき市などがあり、この地域を浜通りと呼ぶ。

 

三地域に分かれる福島県

福島県は地形的特性により、以下の3つの地域に分けられる。

浜通り

太平洋沿岸部に位置し、相馬市、南相馬市、いわき市などが含まれる。

温暖な気候と広大な平野が特徴で、農業や漁業が盛ん。

阿武隈高地と太平洋に挟まれたこの地域は、防災の観点からも重要なエリアである。

中通り

奥羽山脈と阿武隈高地の間に位置し、福島市郡山市白河市など県の主要都市が集中する。

福島盆地郡山盆地などの平地(盆地)が広がり、阿武隈川が貫流する。

福島県の政治・経済の中心地であり、交通の要衝でもある。

会津

奥羽山脈以西の地域で、会津若松市喜多方市などが含まれる。

山間部が多く、冬季には積雪が多い地域だ。

猪苗代湖只見川などの豊富な水資源があり、自然と文化が調和するエリアである。

福島県の河川と盆地

福島県を流れる3本の一級河川

福島県には3本の一級河川が流れる。

それぞれが県内の地形を形作り、地域の生活や産業に大きな役割を果たしている。

 

阿武隈川

阿武隈川那須岳を源流とし、中通りを北流する川だ。

白河市、須賀川市、郡山市、福島市、伊達市など主要都市を貫流し、福島県総人口の6割がこの流域に集中している。

途中、乙字ヶ滝飯坂温泉といった観光地が点在し、豊かな自然と共に観光資源にも恵まれている。

乙字ヶ滝(阿武隈川)
乙字ヶ滝(阿武隈川)
飯坂温泉
飯坂温泉

阿賀川(阿賀野川)

阿賀川は栃木県との県境近くに源を持つ荒海川を源流とする、会津地方を流れる福島県内最大の河川だ。

「阿賀川」の名称は福島県内での呼び名であり、大川とも呼称される。

大川流域には「塔のへつり」と呼ばれる景勝地などもある。

塔のへつり(阿武隈川)
塔のへつり

源流から北流後、会津盆地猪苗代湖から流れてきた日橋川と合流、さらに、尾瀬を源流とする只見川と合流し、新潟県へでて阿賀野川の名称に変わり、日本海へ流れる。

日橋川源流となる猪苗代湖は、県の中央にあり、県最大はもちろん、日本で4番目に大きな面積の湖である。

上述の阿武隈川と異なり、日本海に流れる河川で、奥羽山脈が分水嶺となっている。

猪苗代湖の排水口でもあり、県内の重要な水資源を担う川だ。

猪苗代湖と磐梯山
猪苗代湖と磐梯山

久慈川

八溝山を源流とする久慈川は、福島県南東部を流れ、茨城県へ向かう河川だ。

周辺には自然豊かな景観が広がり、釣りやアウトドアを楽しむ人々に人気がある。

 

その他、太平洋に流れ出る夏井川鮎川といった二級河川がある。

夏井川渓谷(河口から直線距離約15km)
夏井川渓谷(河口から直線距離約15km)
夏井川の千本桜(河口から直線距離約35km)
夏井川の千本桜(河口から直線距離約35km)

福島県の平野と盆地

福島県には大きな平野はないが豊かな盆地が点在している。

主要な盆地としては、阿武隈川沿いの福島盆地郡山盆地が挙げられる。

福島盆地は農業が盛んで、果樹栽培や稲作が行われている。

一方、会津地方には会津盆地が広がり、ここも農業が盛んな地域である。

猪苗代湖
会津盆地と猪苗代湖

猪苗代湖周辺の平地では、観光地として知られる裏磐梯エリアがあり、湖畔には宿泊施設やリゾート施設が点在する。

また、郡山市を中心とした郡山盆地は交通網が発達し、工業や商業の中心地となっている。

 

豊富な水資源と福島の未来

福島県は広大な面積と豊かな自然環境に恵まれ、多様な地形と気候を持つ県だ。

太平洋から奥羽山脈、猪苗代湖、阿武隈川、只見川など、多様な水系が織り成す地形は観光や産業の基盤となっている。

これらの地理的特性を活かし、福島県は今後も魅力的な地域として成長していくだろう。

 

福島県の地理・地形・地図
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