岩手県の観光地・名所・名刹・百選と地図。
世界遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」構成遺産の中尊寺、毛越寺や、「明治日本の産業革命遺産」構成遺跡「橋野鉄鉱山」など2件の世界遺産に、3ヵ所の日本百景、4つの特別天然記念物、4つの特別史跡に国の名勝多数を有する岩手県。
世界遺産、特別天然記念物、特別史跡に加え、国の名勝、日本百景、滝百選や百名城、桜名所に加え、温泉地、古社寺などなど岩手県の観光名所についての名前と解説と地図を掲載。
岩手県の観光地・名所・名刹・百選と地図。
岩手県の世界遺産
岩手県には二つの世界遺産がある。
一つは、中尊寺や毛越寺、無量光院跡などの寺院が「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」として登録されている。
「平泉」は、岩手県の南西部の古くからの地名で、奥州藤原氏が栄えた平安時代末期の寺院が多く残り、そのうち5件が構成資産とされている。
構成資産は中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の5件である。
中尊寺は、金色堂とそれを覆う覆堂、写経の納められていた経蔵などの建物が含まれる。
毛越寺は、その庭園が特別名勝に指定される寺院で、伽藍は焼失しているものの境内が特別史跡に指定されている。紅葉のスポットとしても著名。
観自在王院跡、無量光院跡は、それぞれ寺院や阿弥陀堂の跡地で、現在は池や庭園などが残っている。
金鶏山は、上記4件や平泉の町並みを造る都市計画の基準点となったと推測される標高100m弱の山である。彼岸の時期には無量光院の庭園から、堂、金鶏山の山頂、夕日の3点が重なる様に設計されている。
もう1件の世界遺産は、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産である「橋野鉄鉱山」である。
釜石市にある製鉄に用いた高炉跡で、水戸藩の那珂湊反射炉で使用する銑鉄を鉄鉱石から取り出すために南部藩によって建てられた。
炉跡の南2.6kmに鉄鉱石を採掘した鉄鉱山がある。(私有地のため立ち入りはできない)
岩手県の特別天然記念物・国指定の名勝・三大〇〇・日本百景など
岩手県には、4件の特別天然記念物、3件の特別史跡が指定されている。
特別天然記念物は、夏油温泉の石灰華、根反の大珪化木、焼走り溶岩流、早池峰山および薬師岳の高山帯・森林植物群落の4件。
夏油温泉の石灰華は通称天狗岩とも呼ばれ、周辺では野湯が楽しめる。
根反の大珪化木は、直径1.8m、高さ6mの日本最大規模の珪化木で、日本に複数ある珪化木としては、唯一特別天然記念物である。
ちなみに、珪化木とは埋没した樹木の成分が石化したもので、一種の化石であり、年輪などが石化した状態になっている。
焼走り溶岩流は八幡平市にある岩原で、岩手産から流出した溶岩流の冷えた安山岩で埋め尽くされ黒い台地となっている。溶岩流の跡は国内に多く存在するが、溶岩流の発生が新しく、砂や土で覆われず、また植物が育成していない、風化や土壌の形成がない当地は貴重とされている。
早池峰山および薬師岳の高山帯・森林植物群落は、北上山地最高峰の早池峰山と薬師岳周辺の高山植物の群落でハヤチネウスユキソウなどの貴重な植物が生育している。
特別史跡に指定されている3件は、中尊寺境内、無量光院跡、毛越寺境内の3件で、上述の通りいずれも世界遺産に登録されている。
県内では、日本三大鍾乳洞に龍泉洞、三大渓に猊鼻渓が選ばれている。
龍泉洞は、全長約4キロが解明され、600mが公開されている天然記念物の鍾乳洞である。
猊鼻渓は、一関市にある渓谷で、2キロにわたって50mを超える石灰岩の岸壁が連続し、奇岩や滝を楽しみながら川下りが行える観光地。
紅葉と藤の名所としても有名で、川下りと言いながら実際のコースは川を遡上するコースである。
国の名勝には、上記猊鼻渓の他、同じく渓谷である厳美渓(一関市)、碁石海岸(大船渡市)、浄土ヶ浜(宮古市)などの海岸、陸前高田市にある高田松原(陸前高田市)、大船渡湾に浮かぶ珊琥島(大船渡市)、男神岩・女神岩・鳥越山(二戸市・二戸郡一戸町)などが指定されている。
陸前高田市の高田松原は、かつて7万本が茂る松原であったが、東日本大震災の津波により消滅している。
岩手県の百選(渚、名城、滝、さくら名所)
岩手県では日本さくら名所100選に、盛岡市の高松公園と北上市の北上市立公園展勝地の2カ所が選出されている。
高松記念公園は、花の季節には日露戦争の戦勝記念で植えられた桜が池のほとりを彩る公園で、北上市立公園展勝地は北上川沿岸の都市公園で1万本の桜と10万本のツツジ、2㎞の桜並木が有名。青森の弘前、秋田の角館とともに「みちのく三大桜名所」とされる。
日本の滝百選には、不動の滝(八幡平市)が県内唯一の選出である。落差15mの直瀑で桜松神社の境内奥にある。
日本の百名城には盛岡城(盛岡市)、続日本百名城には九戸城(二戸市)が選出されている。
盛岡城は南部藩(盛岡藩)南部氏の居城で、1598年築城、江戸時代を経て1871年に廃城となった城である。現在は石垣や土塁、移築土蔵、門などの遺構が残る。
九戸城は、南部氏の居城が盛岡城に移るまで居城として使用された城で、南部氏が移ってからは福岡城と名勝を改められている。(ただし、九戸城と呼ばれる)
1500年までに築城されたといわれ、江戸時代初期の1636年に廃城となっている。曲輪や堀、土塁が残る。
日本の渚100選には、碁石海岸(大船渡市)、高田松原(陸前高田市)、浄土ヶ浜(宮古市)が選出されている。
高田松原、浄土ヶ浜はいずれも国の名勝に指定されており、碁石海岸は碁石のような平たい黒い石が主体となっている小石の海岸で、リアス海岸の三陸海岸南部にあり景勝地が多い。
岩手県の古社寺・名刹と温泉地。
岩手県には、上述の夏油温泉以外にも、花巻温泉郷や須川高原温泉など著名な温泉地がある。
花巻温泉郷は花巻市西部の温泉の総称で、一軒宿、湯治場、大型ホテルなど多様な形態の宿舎のある温泉街。
花巻温泉郷
須川高原温泉は宮城県境に近い秋田県境にあり、開湯300年の歴史を持つ温泉で、湯治場として始まり毎分6000リットルの湧出量を誇る。現在は一軒宿が営業している。
(外部リンク)岩手県のホームページ
(外部リンク)岩手県観光ポータルサイト「いわての旅」