定番と穴場|東尋坊・一乗谷朝倉氏遺跡・永平寺・丸岡城など歴史の旅路。越前海岸、気比の松原、若さの海を巡る。

 

日本海に面した福井県は、断崖絶壁の東尋坊や日本三大松原の一つ気比の松原など、自然の壮大な造形美に満ちた土地である。

一方で、戦国大名・朝倉氏が築いた一乗谷の城下町跡や、曹洞宗の大本山・永平寺など、歴史と信仰の香りも色濃く残る。

さらに、日本屈指の恐竜化石の産地として知られる勝山市や、若狭の古い宿場町・熊川宿など、文化と自然が調和した魅力的な観光地が点在する。

本稿では、福井県の観光地・名所・名刹・百選・温泉を地図とともに紹介し、その魅力を掘り下げていく。

 

定番と穴場|東尋坊・一乗谷朝倉氏遺跡・永平寺・丸岡城など歴史の旅路。越前海岸、気比の松原、若さの海を巡る。

福井県の観光地・名所一覧・地図
福井県の観光地・名所一覧・地図

 

名勝・天然記念物・日本百景──海食崖の迫力と戦国遺構の静寂

福井県には世界遺産は存在しないが、特別史跡と特別名勝の二重指定を受けている「一乗谷朝倉氏遺跡」がある。

福井市南東部に位置し、戦国時代に越前を治めた朝倉氏の城下町跡だ。

山間の谷に広がる城館・町屋跡・寺社跡が良好な状態で残り、庭園や唐門、侍屋敷などが復元されている。

室町文化の粋を伝える「朝倉館跡庭園」は特別名勝にも指定され、国の史跡として戦国都市遺跡の代表例とされる。

一乗谷唐門
一乗谷唐門

 

日本海側に目を向けると、福井のシンボル「東尋坊」がある。

安山岩の柱状節理が続く断崖絶壁は、波と風が数百万年の歳月をかけて刻んだ自然の彫刻だ。

海上遊覧船から望む岩肌は迫力満点で、夕暮れには断崖と海が赤く染まり、神秘的な光景となる。

東尋坊
東尋坊

東尋坊スポット記事

 

また、日本三大松原の一つである敦賀市の「気比の松原」も国の名勝である。

三里に及ぶ白砂青松の海岸は古くから文人墨客に愛され、松尾芭蕉もその景観を詠んだと伝えられる。

日本三大松原「気比の松原」
日本三大松原「気比の松原」

若狭地方に広がる「蘇洞門(そとも)」は小浜市の景勝地で、全長6キロにわたり洞門や滝、奇岩が続く。

海蝕によって生まれた断崖が続き、遊覧船でその雄大な海岸線を間近に体感できる。

若狭蘇洞門
若狭蘇洞門

さらに「三方五湖」は湖沼群として名勝に指定され、塩分濃度の異なる五つの湖が織りなす水のグラデーションが美しい。

湖畔のレインボーラインからの眺望は圧巻である。

三方五湖
三方五湖

このほか、敦賀市の「柴田氏庭園」も国指定の名勝で、江戸初期の大名庭園の面影を今に伝えている。

百選の絶景──渚・滝・桜・城が彩る福井の四季

福井県には数々の「日本百選」に名を連ねる景勝がある。

まず、「日本の渚百選」には越前海岸東尋坊若狭小浜が選ばれている。

越前海岸は敦賀市杉津から坂井市三国町に至る約100kmの海岸線で、急峻な断崖と奇岩が続く風景はまさに日本海の荒波が生んだ芸術である。

冬の荒れた海と雪を頂く山々の対比が美しく、特に夕日の名所として知られる。

越前海岸 呼鳥門
越前海岸 呼鳥門

「日本の滝百選」には、越前市の「龍双ヶ滝」が選ばれている。

落差60メートルの岩肌を滑るように流れ落ち、夏の緑と秋の紅葉に映える姿が見事だ。

滝壺に近づくと水しぶきが霧のように広がり、幻想的な雰囲気に包まれる。

龍双ヶ滝
龍双ヶ滝

桜の名所としては、「足羽川・足羽山公園」と「霞ヶ城公園」がともに「日本さくら名所100選」に選出されている。

足羽川堤防沿いには約600本の桜が2kmにわたって咲き誇り、「日本一の桜並木」と称される。

特に夜桜のライトアップは幻想的で、福井の春を象徴する光景だ。

霞ヶ城公園は丸岡城を中心に整備された公園で、古城の石垣と桜が調和する景観が訪れる人を魅了する。

足羽川堤防の桜並木
足羽川堤防の桜並木

 

城跡では、「丸岡城」と「一乗谷城」が日本百名城に指定されている。

丸岡城は現存最古の天守を有し、「日本一古い城」として知られる。

木造の天守からは坂井平野と九頭竜川が一望でき、戦国時代の息吹を感じる。

丸岡城
丸岡城

続日本百名城には福井城越前大野城佐柿国吉城玄蕃尾城が選ばれている。

越前大野城は「天空の城」として人気で、霧に浮かぶ姿はまるで幻想の世界のようだ。

Echizen Ono Castle(Ono city, Fukui Prefecture, Japan)
越前大野城 

玄蕃尾城は滋賀県との県境にあり、1583年の賤ヶ岳の戦いで柴田勝家が本陣を置いた城として知られる。

山中に残る石垣と曲輪群は戦国末期の防衛構造を今に伝える貴重な遺構である。

Genbao Castle 20050605-2
玄蕃尾城

名刹と温泉──永平寺と芦原温泉、心と体を癒す旅

福井県には曹洞宗の大本山「永平寺」がある。

道元禅師が開いた日本有数の禅寺で、山深い渓谷に佇む伽藍群が荘厳な静けさをたたえている。

七堂伽藍を中心に約70棟の建物が整然と配置され、修行僧たちの厳しい生活を垣間見ることができる。

廊下に響く足音や、木魚の音が心を鎮め、訪れる人に深い安らぎを与える。

大本山永平寺唐門
大本山永平寺唐門

温泉地としては、「芦原温泉(あわらおんせん)」が代表格である。

開湯130年以上の歴史を持ち、上質な湯と落ち着いた街並みで“関西の奥座敷”と称される。

源泉数は70以上、泉質は柔らかなアルカリ性単純泉で、肌に優しいと評判だ。

温泉街には旅館が点在し、足湯や湯めぐりを楽しめる。

Tsuruya Awara ac (2)
芦原温泉

また、越前市や若狭地方にも温泉が点在し、東尋坊から近い「三国温泉」や、海辺の「若狭高浜温泉」など、海と湯を同時に楽しめるのも福井ならではの魅力である。

その他の見どころ──恐竜・海・宿場町、家族で楽しむ福井旅

福井県は文化遺産や自然美だけでなく、体験型観光も充実している。

勝山市の「福井県立恐竜博物館」は世界三大恐竜博物館の一つに数えられ、恐竜化石の展示規模では日本最大を誇る。

動く恐竜ロボットやリアルな骨格標本は圧倒的な迫力で、子どもから大人まで楽しめる。

Fukui Prefectural Dinosaur Museum 20231217
恐竜博物館

敦賀市の「水島」は敦賀湾に浮かぶ小さな無人島で、夏には海水浴場として人気が高い。

白砂のビーチと透明度の高い海水は“北陸のハワイ”と称されるほど美しい。

水島

 

また、若狭町の「熊川宿」は、かつて若狭と京都を結ぶ鯖街道の宿場町として栄えた歴史的集落である。

町並みは江戸から明治にかけての商家や土蔵が残り、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

のどかな石畳と白壁の町並みを歩けば、往時の旅人気分を味わえるだろう。

これらに加えて、敦賀の「金崎宮」では桜まつり、越前岬灯台では夕日の絶景など、季節ごとに異なる表情を見せるのも福井の魅力である。

海・山・歴史・温泉──そのすべてがコンパクトに凝縮された福井県は、旅人の感性を満たす“北陸の宝石”といえるだろう。

 

福井県の観光地・名所一覧・地図
福井県の観光地・名所一覧・地図

(外部リンク)福井県のホームページ

(外部リンク)福井県観光連盟サイト「ふくいドットコム」