福井県の地理と地図：若狭湾、九頭竜川、リアス海岸と山岳が織りなす日本海の絶景地

 

福井県は本州の中部、西側に位置し、日本海に面する自然豊かな地域だ。

県の北西部は日本海と若狭湾に接し、北東部は石川県、南西部は京都府、南部は滋賀県、南東から東にかけては岐阜県と境を接している。

福井県は、南部の豊かな山地と入り組んだ海岸線が特徴であり、特に若狭湾に広がるリアス式海岸や九頭竜川が象徴的だ。

本記事では、福井県全域の地形的特徴、平野や盆地、若狭湾南岸の半島や小湾についても詳しく解説する。

 

福井県の地理と地図：若狭湾、九頭竜川、リアス海岸と山岳が織りなす日本海の絶景地

福井県全域の地形的特徴

福井県は、多様な地形が広がる地域であり、山岳地帯、平野、河川、そして入り組んだ海岸線が特徴的だ。

県北西部は若狭湾を中心にリアス式海岸が広がり、入り組んだ海岸線が特徴となっている。

一方、県南部や東部には山岳地帯が広がり、これらの山々が県内の地形に大きな影響を与えている。

### 山岳地帯

福井県の山岳地帯は、主に南部と東部に広がっている。

県南西部には、滋賀県との境界に位置する野坂山地があり、野坂岳や赤坂山がそびえている。

これらの山々は標高約900メートルから1000メートルに達し、急峻な地形が特徴だ。

また、県東部には岐阜県境に沿って越美山地が広がり、冠山や能郷白山がその代表的な山々である。

さらに、北東部には石川県境に位置する加越山地があり、赤兎山や白山がそびえ、これらの山々が福井県の自然景観を形作っている。

 

### 平野と盆地

福井県にはいくつかの平野と盆地が存在するが、その多くは河川によって形成されたものだ。

県内最大の平野は福井平野であり、ここは九頭竜川によって形成された肥沃な土地だ。

また、県中部には大野盆地や勝山盆地が広がり、これらの盆地もまた、九頭竜川水系によって形作られている。

これらの平野と盆地は、福井県内の農業の中心地となっており、稲作や果樹栽培が盛んに行われている。

 

若狭湾とリアス式海岸

福井県北西部に広がる若狭湾は、日本海に面した地域であり、特にリアス式海岸の美しさが際立っている。

リアス式海岸は、かつての山地が沈降し、谷が海に浸食されてできたもので、入り組んだ地形が特徴だ。

この地域には多くの半島と小湾が点在し、それぞれが独自の景観を形成している。

### 若狭湾南岸の半島と小湾

若狭湾南岸には、いくつかの半島と小湾が広がっている。

西側には京都府との境界に位置する大浦半島があり、その東側には内浦湾が広がる。

大浦半島は、入り組んだ海岸線と美しい自然景観で知られており、釣りやキャンプなどのアウトドア活動が盛んだ。

内浦湾のさらに東には大島半島があり、その奥には小浜市が位置する小浜湾が広がっている。

小浜湾は、かつての山地が沈降してできた湾であり、リアス式海岸の典型的な例だ。

湾内には小さな漁港が点在し、新鮮な海産物が豊富に水揚げされる。

さらに東に進むと、内外海半島（うちとみはんとう）に至り、その北端には景勝地として知られる蘇洞門（そとも）がある。

この地域は、断崖絶壁が続く迫力ある風景が広がり、観光名所となっている。

内外海半島の基部には三方五湖が位置し、湖と海が織りなす独特の風景が楽しめる。

内外海半島のさらに東には常神半島（つねがみはんとう）があり、その先端に常神岬がある。

常神半島は、リアス式海岸の美しい景観を持ち、透明度の高い海水が訪れる人々を魅了する。

また、この地域はダイビングやシュノーケリングのスポットとしても知られている。

その東には美浜湾が広がり、美浜湾の東には敦賀半島が続く。

敦賀半島の先端には立石岬があり、半島東側には南岸に敦賀市が位置する敦賀湾が広がっている。

敦賀半島東側基部には、日本三大松原に数えられる気比の松原が位置する。

### 若狭湾東岸

敦賀湾を過ぎると、海岸線は北に進み越前岬が現れる。

越前岬は、険しい断崖が続く岬で、日本海の荒波に削られた独特の地形が見られる。

この地域は、特に冬の季節風による荒々しい風景が印象的で、訪れる人々に迫力ある自然の姿を感じさせる。

越前岬を北東に進むと、九頭竜川河口部に至り、このあたりまでは海岸線まで山々の尾根の迫る地形が続く。

九頭竜川河口を過ぎると東尋坊に至る。

東尋坊は、日本国内でも有数の景勝地として知られ、柱状節理の断崖が約1キロメートルにわたって続く壮大な景観を誇る。

東尋坊の断崖絶壁は、高さ20メートル以上に達する場所もあり、自然の力が作り出した美しさと恐ろしさを同時に感じられる場所である。

※東尋坊はスポット記事があります。

 

福井県の河川、平野と盆地

福井県には、九頭竜川水系と北川水系の2本の一級河川が流れている。

九頭竜川は、岐阜県境に位置する油坂峠を源流とし、九頭竜湖を経て北西に流れる。

この川は、大野盆地や勝山盆地を通り、福井平野に至り、最終的には日本海に注ぐ。

九頭竜川には、福井市で日野川が合流し、日野川は岐阜県境付近にある夜叉ヶ池を源流としている。

また、日野川は福井平野を流れる足羽川と合流し、これらの川が福井市内を潤している。

特に足羽川は福井市中心部を流れ、両岸には日本一の桜並木とされる美しい景観が広がっている。(ただし、長さも本数も日本一ではない)

もう一つの一級河川である北川は、滋賀県を源流とし、福井県内を北西に流れて小浜市に至り、小浜湾に流れ込む。

この川は、小浜市中心部を流れ、小浜湾に至るまでに南川や多田川とも合流している。

北川流域は、古くからの歴史が息づく地域であり、風光明媚な景観が広がっている。

 

### 三方五湖

常神半島の基部西側には、国の名勝に指定されている三方五湖がある。

三方五湖は、三方湖、水月湖、菅湖、久々子湖、日向湖の5つの湖からなり、それぞれが異なる水質を持つ。

三方五湖は、海水、汽水、淡水が混在する独特の生態系を持ち、その自然環境は非常に貴重だ。

この地域は、観光地としても人気があり、湖の周辺には遊歩道や展望台が整備されている。

 

関連項目：中部地方・北陸地方の地理・地形・地図