【全国】日本全国の国宝指定建造物一覧。日本地図2分割

国宝のうち、建造物の国宝の所在地をプロットした記事です。

数の問題で、滋賀県、京都府、奈良県の関西3府県と、それ以外の都道府県の2分割となりました。

その関西3府県以外の全国編です。

地図の分割上、この記事では滋賀県、京都府、奈良県の関西三府県以外の44都道府県に所在する国宝(建造物)を掲載しています。

関西3府県の別記事です。

 

【全国】日本全国の国宝指定建造物一覧。日本地図2分割

日本の国宝建造物(3府県除く全国)
日本の国宝建造物(3府県除く全国)

 

北海道・東北地方の国宝建造物

中尊寺 (岩手県西磐井郡平泉町)
<国宝>金色堂
岩手県西磐井郡平泉町に位置する天台宗東北大本山の寺院で、山号は関山、本尊は釈迦如来です。寺伝では円仁の開山とされ、実質的な開基は藤原清衡とされています。中尊寺は奥州藤原氏三代と深く関わり、平安時代の美術、工芸、建築の粋を集めた金色堂を始め、多くの文化財を有しています。境内は「中尊寺境内」として国の特別史跡に指定され、2011年には世界遺産にも登録されました。また、金色堂や金色堂堂内諸像及び天蓋他は国宝に指定されています。
羽黒山 (山形県鶴岡市)
<国宝>五重塔
山形県鶴岡市羽黒町手向の羽黒山に位置する室町時代建立の五重塔です。山形県の山岳修験の道場として知られる出羽三山の一つ、羽黒山に建てられています。この五重塔は、東北地方で最も古い塔とされ、昭和41年(1966年)に国宝に指定されました。現存する塔は、応安5年(1372年)に羽黒山の別当職大宝寺政氏が再建したとされています。塔は純和様の様式を持ち、彩色等を施さない素木の塔として知られています。
瑞巌寺 (宮城郡松島町)
<国宝>本堂(元方丈)、庫裏及び廊下
宮城県宮城郡松島町に位置する臨済宗妙心寺派の仏教寺院であり、日本三景の一つである松島に存在します。平安時代の創建で、その後の時代を経て、現在の名前と宗派に変遷してきました。江戸時代には伊達政宗によって大規模な改築が行われ、桃山文化の特徴を持つ本堂などの国宝建築が造られました。瑞巌寺は仙台藩の伊達氏によって保護され、多くの文化財を有しています。
大崎八幡宮 (仙台市青葉区)
<国宝>本殿、石の間、拝殿
宮城県仙台市青葉区に位置する神社で、主祭神は応神天皇、仲哀天皇、神功皇后。平安時代に坂上田村麻呂が創祀した鎮守府八幡宮が起こり。伊達政宗により1607年に現在地に遷座。本殿・石の間・拝殿を繋ぐ社殿が国宝指定で、桃山建築の粋を集めた豪華な様式が特徴。社殿は、内部には狩野派の絵師の障壁画や彫刻が施されており、安土桃山時代の文化を伝える日本最古の建造物としても知られている​​。
願成寺 (福島県いわき市内)
<国宝>阿弥陀堂(白水阿弥陀堂)
福島県いわき市内郷白水町広畑に位置する平安時代末期に建立された仏堂で、真言宗智山派の寺院・願成寺(がんじょうじ)が所有。福島県内で唯一の国宝建造物として知られ、国宝指定名称は「阿弥陀堂(白水阿弥陀堂)」。境内地には浄土式庭園があり、国の史跡としても指定。この阿弥陀堂は、1160年に岩城則道の妻・徳姫によって建立。この阿弥陀堂は後鳥羽上皇により勅願寺とされ、江戸時代には徳川将軍家から寺領を受け取る。2011年の東日本大震災による損傷を受け、2012年に修復が完了。しかし、2023年の台風13号による大雨で再び被災。

 

中尊寺金色堂の覆堂
中尊寺金色堂の覆堂
羽黒山の五重塔(鶴岡市)
羽黒山の五重塔(鶴岡市)
大崎八幡宮(宮城県仙台市)
大崎八幡宮(宮城県仙台市)
願成寺(福島県いわき市内)
願成寺(福島県いわき市内)

関東地方の国宝建造物

東照宮 (栃木県日光市)
<国宝>本殿、石の間、拝殿、東西透塀、正面及び背面唐門、東西回廊など
栃木県日光市にある神社で、江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現を主祭神としています。日本全国の東照宮の中で総本社的な存在であり、久能山東照宮や上野東照宮と共に三大東照宮の一つに数えられています。正式名称は単に「東照宮」というが、他の東照宮と区別するため「日光東照宮」とも呼ばれます。隣接する仏教寺院の輪王寺は、奈良時代に勝道によって開山された日光山にあります​​。
輪王寺 (栃木県日光市)
<国宝>大猷院霊廟
栃木県日光市に位置する天台宗の門跡寺院です。明治初年の神仏分離令以降、東照宮、二荒山神社と共に「二社一寺」として知られています。以前は「日光山」と総称され、現在は輪王寺が日光山の山号とされています。輪王寺は日光山内にある寺院群の総称でもあり、その境内は東照宮、二荒山神社の境内とともに国の史跡に指定され、「日光の社寺」として世界遺産に登録されています。創建は奈良時代に遡り、近世には徳川家の庇護を受け繁栄しました​​。
鑁阿寺 (栃木県足利市)
<国宝>本堂
栃木県足利市にある真言宗大日派の本山です。足利氏宅跡(鑁阿寺)として国の史跡に指定されており、本堂は国宝に指定されています。また、日本100名城の一つでもあります。足利氏の氏寺で、本尊は大日如来です。元々は足利氏の館(やかた)であり、現在でも四方に門を設け、寺の境内の周りには土塁があります。
旧富岡製糸場 (群馬県富岡市)
<国宝>繰糸所、東置繭所、西置繭所
群馬県富岡市に設立された日本初の本格的な機械製糸の工場です。1872年に開業し、その繰糸所や繭倉庫などの建造物が現存しています。この工場は、日本の近代化と絹産業の技術革新・交流に大きく貢献しました。敷地全体が国の史跡に指定され、初期の建造物群は国宝および重要文化財に指定されています。さらに、2014年には「富岡製糸場と絹産業遺産群」の一部として世界遺産に登録されました​​。
歓喜院 (埼玉県熊谷市)
<国宝>聖天堂
埼玉県熊谷市妻沼にある高野山真言宗に属する仏教寺院で、日本三大聖天の一つとされています。山号は「妻沼聖天山」と呼ばれ、公式にもこの名で案内されています。寺伝によれば、1179年に齋藤別当実盛によって建立され、齋藤実盛の次男である実長によって歓喜院長楽寺として別当寺院が設立されました。1670年の大火で焼失し、18世紀半ばに再建。2003年から2011年にかけて本殿の修復工事が行われ、2012年には聖天堂(本殿)が埼玉県内で初めて国宝に指定されました。
旧東宮御所 (東京都港区)
<国宝>迎賓館赤坂離宮
旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)は、明治42年(1909年)に建設された、のちの大正天皇である皇太子明宮嘉仁親王のための御住居です。明治時代の最大の記念建築として知られ、西洋の建築様式を取り入れつつ、日本独自の主題や精緻な工芸技術を用いた装飾が施されています。この建物は、日本人建築家による設計の到達点を示し、明治以降の昭和戦前に建設された日本の建築物を代表するものとして、文化史上特に重要な意義を持っています​
正福寺 (東京都東村山市)
<国宝>地蔵堂
正福寺は東京都東村山市に所在する臨済宗建長寺派の寺院です。山号は金剛山で、本尊は千手千眼観音です。創建年は鎌倉時代中期、弘安元年(1278年)と伝えられています。開山は石渓心月、開基は伝承によると北条時頼または北条時宗です。寺院の中にある地蔵堂は国宝に指定されています。
円覚寺 (神奈川県鎌倉市)
<国宝>舎利殿
神奈川県鎌倉市山ノ内にある臨済宗円覚寺派の大本山で、鎌倉五山の第二位に列されています。正式名称は瑞鹿山円覚興聖禅寺です。本尊は宝冠釈迦如来で、開基は北条時宗、開山は無学祖元です。円覚寺は鎌倉時代の弘安5年(1282年)に元寇の戦没者追悼のため、中国僧の無学祖元を招いて北条時宗により創建されました。この寺院は鎌倉時代を通じて北条得宗の祈祷寺として保護されていました​​。
東照宮(栃木県日光市)
東照宮(栃木県日光市)
鑁阿寺(栃木県足利市)
鑁阿寺(栃木県足利市)
旧東宮御所(東京都港区)
旧東宮御所(東京都港区)

中部・北陸地方の国宝建造物

善光寺 (長野県長野市)
<国宝>本堂
長野県長野市にある無宗派の単立仏教寺院です。この寺院は「大勧進貫主」と「大本願上人」によって管理されています。善光寺の本尊、一光三尊阿弥陀如来(善光寺如来)は、日本最古とされる貴重な仏像で、絶対秘仏として知られています。この本尊は一般に公開されず、特定の時期にのみ前立本尊を通じて開帳されます​​。
松本城 (長野県松本市)
<国宝>天守
長野県松本市に位置する日本の城で、かつては深志城と呼ばれていました。安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけて建造されたこの城は、現存する天守の中で国宝に指定されています。また、松本城は国の史跡にも指定されており、国宝指定された天守がある5つの城の一つです。他の4城は姫路城、犬山城、彦根城、松江城です​
旧開智学校 (長野県松本市)
<国宝>校舎
1876年に長野県松本市に建てられ、その後松本市沢村に移築された明治時代初期の擬洋風建築の校舎です。この建物は、文明開化時代の小学校建築を代表するものとされています​​。
安楽寺 (長野県上田市)
<国宝>八角三重塔
長野県上田市別所温泉にある曹洞宗の寺院。日本唯一の木造八角三重塔が国宝指定。八角三重塔は、13世紀末に建築され、中国から伝わった「禅宗様」で造られた、現存する日本唯一の木造八角三重塔である。
大法寺 (長野県小県郡青木村)
<国宝>三重塔
長野県小県郡青木村にある天台宗の寺院で、奈良時代の大宝年間(701~704年)に藤原鎌足の子・定恵によって創立されたとされます。特に知られているのは、国宝に指定されている美しい三重塔です。この三重塔は、鎌倉時代の終わり頃である1333年に建立されたとされ、日本の和様建築の代表例です。また、平安時代に造られた木造十一面観音及び脇侍普賢菩薩立像などの重要文化財も所蔵しており、信州でも有数の古刹として重要な地位を占めています。
仁科神明宮 (長野県大町市)
<国宝>本殿及び中門(前殿)
長野県大町市にある神社で、天照大神を奉祀しています。創建は不明ですが、平安時代以降と推定されており、本殿や中門などの建築物が国宝に指定されています。この神社は、日本で最も古い神明造の建築物を持つとされ、20年に1度の式年造替を通して長い伝統を保ってきました。また、仁科氏の庇護を受けていたことも特筆されています。
大善寺 (山梨県甲州市)
<国宝>本堂
山梨県甲州市勝沼町に位置する真言宗智山派の寺院で、山号を柏尾山と称します。奈良時代の行基が創建したと伝えられ、本尊は薬師如来です。特に有名なのは、1286年に建立された国宝指定の本堂(薬師堂)で、山梨県最古の建築物です。また、寺伝によると、行基が葡萄を持った薬師如来を夢に見たことが当寺の起源で、「ぶどう寺」とも呼ばれています。薬師如来像の持物は現在、葡萄に復元されています。
清白寺 (山梨県山梨市)
<国宝>仏殿
山梨県山梨市に位置する臨済宗妙心寺派の寺院で、国宝の仏殿を有しています。1333年に足利尊氏によって創立されたと伝えられ、夢窓疎石が開山したとされます。特に知られているのは、1415年に建立された仏殿で、これは典型的な禅宗様式を取り入れた国宝指定の建造物です。寺院は「梅の清白寺」としても知られ、参道には美しい紅白梅が並びます。江戸時代初期に臨済宗妙心寺派に属するようになりました。
久能山東照宮 (静岡県静岡市)
<国宝>本殿、石の間、拝殿
静岡市駿河区に位置する神社で、徳川家康を祀っています。1616年に家康が死去した後、彼の遺命により久能山に埋葬され、1617年に東照宮として創建されました。江戸初期の代表的建造物である本殿、石の間、拝殿は2010年に国宝に指定されています。社殿群は、江戸時代に20年ごと、明治時代以降は50年ごとに漆塗り替えが行われており、美しい装飾が特徴です。
瑞龍寺 (富山県高岡市)
<国宝>仏殿、法堂、山門
富山県高岡市にある曹洞宗の寺院で、加賀藩前田家の二代目当主、前田利長の菩提を弔うために三代目当主前田利常によって建立されました。仏殿、法堂、山門の三棟が1997年に国宝に指定されています。江戸時代初期の禅宗寺院建築の代表作として高く評価されており、富山県で初めての国宝指定を受けた名刹です。伽藍配置は中国の径山万寿寺にならったもので、20年の歳月をかけて完成しました。
安国寺 (岐阜県高山市)
<国宝>経蔵
岐阜県高山市にある臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は太平山です。1347年に瑞巌和尚によって創建され、足利尊氏・直義によって日本各地に建立された安国寺の一つです。最盛期には7つの伽藍と9つの塔頭を有する大刹でしたが、戦国時代に兵火を被り、ほとんどの建物が焼失しました。現在見られる本堂は、1624年に金森重頼により再建されたものです。寺院には、1408年に建築された国宝指定の経蔵があり、禅宗様建築でありながら簡素な意匠が特徴です。経蔵内には日本最古の輪蔵があり、貴重な存在です。
永保寺 (岐阜県多治見市)
<国宝>開山堂、観音堂
岐阜県多治見市にある臨済宗南禅寺派の寺院で、山号は虎渓山です。1313年に夢窓疎石により創建されたこの寺院には、国宝に指定された観音堂と開山堂があります。観音堂は南北朝時代の建築で、本尊の聖観世音菩薩坐像が安置されています。開山堂には夢窓国師および開山仏徳禅師の頂相が安置されています。また、寺院には国の名勝に指定された美しい庭園もあります。
犬山城 (愛知県犬山市)
<国宝>天守
愛知県犬山市に位置する日本の城で、室町時代の1537年に織田信長の叔父、織田信康によって築城されました。この城は、現存する日本最古の天守を持ち、国宝に指定されています。尾張国と美濃国の境にある平山城で、木曽川沿いに建てられています。江戸時代には尾張藩の付家老の成瀬家が居城として利用しました。2004年まで個人所有の城であり、その後、公益財団法人犬山城白帝文庫に移管されました。
有楽苑 (愛知県犬山市)
<国宝>如庵
愛知県犬山市に位置する日本庭園で、国宝茶室「如庵」を有しています。この茶室は、織田有楽斎によって建てられ、昭和47年(1972年)に犬山城下に移築されました。「如庵」は国宝茶室三名席の一つで、特別見学会が年に数回開催されています。この庭園では、四季折々の風情を楽しむことができます。
金蓮寺 (愛知県西尾市)
<国宝>弥陀堂
愛知県西尾市にある寺院で、源頼朝が命じた三河七御堂の一つです。その弥陀堂は愛知県で最古の木造建築物で、昭和30年に国宝に指定されました。この鎌倉時代の建築は、一間四面堂の流れを汲み、桧皮葺の屋根が特徴です。堂内には阿弥陀三尊像(県指定文化財)が安置されています。平成28年に屋根の修復が行われ、深い軒と緩やかな曲線が異なる表情を見せる優美な姿を保っています。
明通寺 (福井県小浜市)
<国宝>三重塔、本堂
福井県小浜市にある真言宗御室派の寺院で、大同元年(806年)に坂上田村麻呂によって創建されたと伝えられています。山号は棡山で、本尊は薬師如来です。特に有名なのは、鎌倉時代中期に建造された国宝指定の本堂と三重塔で、福井県内の建造物としては唯一の国宝です。本堂と三重塔は、和様を基調にしながら禅宗様の要素を取り入れた独特な建築様式を持ち、重要文化財に指定されている複数の仏像を安置しています。
専修寺 (三重県津市)
<国宝>御影堂、如来堂
三重県津市一身田町に位置する真宗高田派の本山寺院で、本尊は「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来​​。皇室や津藩主藤堂高次とのかかわりが深い。
善光寺(長野県長野市)
善光寺(長野県長野市)
旧開智学校(長野県松本市)
旧開智学校(長野県松本市)
久能山東照宮(静岡県静岡市)
久能山東照宮(静岡県静岡市)
瑞龍寺(富山県高岡市)
瑞龍寺(富山県高岡市)
犬山城(愛知県犬山市)
犬山城(愛知県犬山市)

関西地方の国宝建造物(3府県除く)

住吉大社 (大阪府大阪市)
<国宝>本殿(第一~四殿)
大阪府大阪市住吉区にある神社で、式内社(名神大社)、摂津国一宮、二十二社(中七社)の一つ。全国の住吉神社の総本社。本殿4棟が国宝に指定​​。海の神筒男三神と神功皇后を祭神としており、古代から航海の神・港の神として祀られ、平安時代からは和歌の神としても信仰されてきた​​。
桜井神社 (大阪府堺市)
<国宝>拝殿
大阪府堺市南区片蔵にある神社。拝殿が堺市内唯一の国宝に指定。創祀は桜井朝臣の一族が祖先の武内宿禰を奉斎したことに由来​​。平安時代には神仏習合が進み、織田信長の紀州征伐で拝殿以外が焼失。江戸時代初期にかけて復興​​​​。
孝恩寺 (大阪府貝塚市)
<国宝>観音堂
大阪府貝塚市木積にある浄土宗の寺院。本尊は阿弥陀如来。国宝の観音堂、通称「木積の釘無堂」として知られている。観音堂は、元は「観音寺」と呼ばれ、726年に行基により開基されたと伝えられる古寺。観音堂は鎌倉時代後期の建築で、釘を使用せず建てられたことから「釘無堂」と呼ばれ、大阪府下最古の木造建築物の一つである。
慈眼院 (大阪府泉佐野市)
<国宝>多宝塔
大阪府泉佐野市日根野に位置する真言宗御室派の寺院。673年に天武天皇の勅願寺として覚豪阿闍梨により創建、泉州地方の最古の寺院。鎌倉時代に建てられた多宝塔は日本三名塔の一つで、全高約10メートルの国内最小の国宝建築物。
観心寺 (大阪府河内長野市)
<国宝>金堂
大阪府河内長野市にある高野山真言宗の古刹で、701年に役行者によって創建。815年に空海が真言宗の道場として再建し、「観心寺」と改称。奈良時代からの金銅仏4体が伝来しており、金堂本尊の如意輪観音像は9世紀の作品とされる。
金剛三昧院 (和歌山県伊都郡高野町)
<国宝>多宝塔
1211年に北条政子によって源頼朝の菩提を弔うために建立された寺院です。1219年には源実朝の菩提を弔うため、禅定院から金剛三昧院と改称され、以降将軍家の菩提寺として信仰された。鎌倉幕府と高野山を結ぶ重要な寺院であり、多宝塔が国宝指定。
金剛峯寺 (和歌山県伊都郡高野町)
<国宝>不動堂
和歌山県高野町にある高野山真言宗の総本山。816年に空海(弘法大師)により創建。高野山は1,000m級の山々に囲まれた宗教都市で、真言密教の聖地として著名。2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録。
根来寺 (和歌山県岩出市)
<国宝>多宝塔(大塔)
和歌山県岩出市にある新義真言宗の総本山で、1130年に覚鑁(興教大師)によって創建されました。室町時代末期の最盛期には、450の坊舎を数える大寺院であり、1万余の僧兵軍団を擁していました。根来寺は秀吉の攻撃によって焼失し、主要な伽藍も復興されました。寺域には国宝の大塔や重要文化財の大日如来坐像などがあり、広大な寺域は過去の壮大さを物語っています。
善福院 (和歌山県海南市)
<国宝>釈迦堂
和歌山県海南市に位置し、1215年に栄西禅師によって創建された天台宗の寺院です。この寺院は、廣福寺五ヶ院の一つとして創建され、加茂氏の菩提寺として栄えましたが、後に衰退しました。現存する唯一の建造物である釈迦堂は国宝に指定されており、1327年の銘がある釈迦如来像が安置されています。釈迦堂は、日本に現存する禅宗様仏殿として最古の部類に属し、鎌倉時代後期の典型的な禅宗様式の建築として知られています。この寺院は、加茂氏の没落により荒廃しましたが、その後高野山に頼って真言宗に転宗し、その後天台宗になりました。現在は善福院のみが残っています。
長保寺 (和歌山県海南市)
<国宝>多宝塔、大門、本堂
和歌山県海南市に位置する古刹で、一条天皇の勅願によって1000年に創建されたとされています。この寺院は天台宗に属し、本尊は釈迦如来です。特に注目すべきは、長保寺が持つ3つの国宝建造物―本堂、多宝塔、大門―です。これらは鎌倉時代から南北朝時代にかけての建築物で、日本の伝統建築の美しさを今に伝えています。また、長保寺は江戸時代に紀州藩主である徳川家の菩提寺として定められました。寺の境内には紀州徳川家の歴代藩主が眠る墓所があり、その広大な規模は日本最大とされています。ただし、徳川吉宗と慶福の墓は別の場所にあります。
浄土寺 (兵庫県小野市)
<国宝>浄土堂(阿弥陀堂)
兵庫県小野市にある高野山真言宗の寺院です。本尊は薬師如来と阿弥陀三尊で、1194年に重源が開山したとされています。特筆すべきは、国宝指定されている浄土堂とその中に安置されている快慶作の阿弥陀三尊像です。浄土堂は大仏様建築の唯一の現存例で、その内部は広大でダイナミックな構造が特徴です。また、西からの光が堂内に入ると、阿弥陀三尊像が浮かび上がり、来迎の風景を表現します。
鶴林寺 (兵庫県加古川市)
<国宝>太子堂、本堂
兵庫県加古川市に位置する天台宗の寺院で、山号は刀田山です。本尊は薬師如来で、伝承によると創建は589年、聖徳太子によるものとされています。重要な文化財としては、国宝の本堂と太子堂があります。本堂は1397年の建築で、太子堂は1112年の建築とされ、兵庫県で最古の建築物の一つです。また、太子堂内の壁画は平安時代の重要な遺品です。寺院はかつては聖徳太子以来の法華経講讃の寺として繁栄し、現在も主要な堂塔を含む大伽藍を有しています。
一乗寺 (兵庫県加西市)
<国宝>三重塔
兵庫県加西市にある天台宗の寺院で、山号は法華山です。650年に法道仙人が開山したと伝えられ、本尊は聖観音菩薩です。特に注目すべきは、1171年に建立された日本屈指の古塔である国宝の三重塔です。この塔は平安時代末期を代表する和様建築の傑作とされています。境内は春の桜や秋の紅葉の名所としても知られ、中世には真言律宗の律院も併設されていました。
朝光寺 (兵庫県加東市)
<国宝>本堂
兵庫県加東市にある高野山真言宗の寺院で、651年に法道仙人によって開基されたと伝えられています。山号は鹿野山で、本尊は二躯の十一面千手千眼観世音菩薩立像です。本堂は国宝に指定されており、鐘楼は重要文化財に指定されています。本堂は1413年に再建された室町時代の密教仏堂の代表作で、和様に禅宗様の要素を加味した折衷様建築の代表例です。
太山寺 (兵庫県神戸市)
<国宝>本堂
兵庫県神戸市にある天台宗の寺院で、716年に藤原宇合によって建立されたとされています。本堂は神戸市内で唯一の国宝建造物であり、1300年頃に建立された入母屋造、銅板葺きの建築物です。この寺院は、播州太山寺縁起によると、元正天皇の勅願寺として発願されました。また、国宝の本堂のほかに、重要文化財として仁王門や阿弥陀如来坐像なども有しています。太山寺は、春の桜や秋の紅葉の名所としても知られており、周辺の自然環境は保護されています。
姫路城 (兵庫県姫路市)
<国宝>大天守、東小天守、西小天守、乾小天守など
兵庫県姫路市にある日本の城で、江戸時代初期に建てられた天守や櫓などの主要建築物が現存し、国宝や重要文化財に指定されています。中堀内側の主郭部は「姫路城跡」として国の特別史跡にも指定されており、ユネスコの世界遺産(文化遺産)にも登録されています。別名「白鷺城」とも呼ばれ、播磨国飾磨郡の姫山及び鷺山を中心に築かれた平山城で、日本の近世城郭の代表的な遺構とされています。姫路城の始まりは1346年とされ、戦国時代から安土桃山時代にかけて本格的な城郭に拡張されました。江戸時代には姫路藩の藩庁となり、西国の外様大名監視のための探題も設置されました。
住吉大社(大阪府大阪市)
住吉大社(大阪府大阪市)
金剛峯寺(和歌山県伊都郡高野町)
金剛峯寺(和歌山県伊都郡高野町)
鶴林寺(兵庫県加古川市)
鶴林寺(兵庫県加古川市)
姫路城(兵庫県姫路市)
姫路城(兵庫県姫路市)

中国・四国地方の国宝建造物

吉備津神社 (岡山県岡山市)
<国宝>本殿及び拝殿
岡山県岡山市にある古社で、主祭神は大吉備津彦命です。備中国の一宮として知られ、本殿は国宝に指定されています。本殿・拝殿は室町時代の足利義満による造営で、比翼入母屋造(吉備津造)の手法が用いられています。特に有名なのは「鳴釜神事」で、釜の鳴る音で吉凶を占います。また、当社は桃太郎伝説の起源とされ、犬養毅の銅像も境内にあります。
旧閑谷学校 (岡山県備前市)
<国宝>講堂
江戸時代前期に岡山藩主・池田光政によって設立された日本最古の庶民学校です。所在地は岡山県備前市。この学校は特別史跡に指定されており、講堂は国宝です。様々な文化財が含まれており、講堂を含む多くの建造物が国の重要文化財に指定されています。また、周辺の美しい自然環境と共に、歴史的価値が高く評価されています。
向上寺 (広島県尾道市)
<国宝>三重塔
広島県尾道市にある曹洞宗の寺院で、山号は潮音山です。本尊は釈迦如来で、中国三十三観音霊場の第十一番札所です。この寺は1403年に生口守平の開基、愚中周及の開山によって臨済宗の寺院として創建されました。1432年には生口氏の関与により三重塔が建立され、これは国宝に指定されています。江戸時代には一旦衰退しましたが、1609年に関的が入寺して再興し、曹洞宗に改められました。2010年には本堂が再建されています。
浄土寺 (広島県尾道市)
<国宝>多宝塔、本堂
広島県尾道市に位置する真言宗泉涌寺派の大本山です。山号は転法輪山、院号は大乗院といいます。本尊は十一面観音で、中国三十三観音霊場の第九番札所です。616年、聖徳太子によって開かれたと伝えられています。特筆すべきは国宝の本堂と多宝塔、重要文化財の阿弥陀堂などがあることです。また、美しい庭園が名勝に指定されており、寺院景観を良好に残しています。
厳島神社本社 (広島県廿日市)
<国宝>本殿、幣殿、拝殿、祓殿、東廻廊、西廻廊
広島県廿日市市の厳島(宮島)にある神社で、593年に佐伯鞍職によって創建されたとされます。安芸国の一宮で、名神大社に列しています。祭神は市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命の三女神です。平清盛により海上に建てられた社殿は国宝に指定されており、その他14棟が重要文化財に指定されています。1996年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。
摂社客神社 (広島県廿日市)
<国宝>本殿、幣殿、拝殿 祓殿
広島県廿日市市の厳島神社に隣接する神社です。1241年に再建されたこの神社は、平清盛の保護を受けて平安時代末期の構成を踏襲しています。本殿は両流造、檜皮葺きの建築で、幣殿と拝殿も同じ様式です。回廊で連続する諸建築は寝殿造の大邸宅を思わせる景観を持っています。
不動院 (広島県広島市)
<国宝>金堂
広島市東区に位置する真言宗別格本山の寺院です。山号は新日山、本尊は薬師如来で、足利尊氏と直義兄弟が設立した安国寺利生塔の一つです。特筆すべきは、金堂が国宝に指定されていることと、その他にも重要文化財が多数あります。金堂は天文9年(1540年)の建築とされ、広島市内で現存する唯一の国宝建築物です。
明王院 (広島県福山市)
<国宝>五重塔、本堂
広島県福山市にある真言宗大覚寺派の寺院で、807年に空海が開基したと伝えられています。寺院は芦田川に面した愛宕山の麓に位置し、本堂と五重塔は国宝に指定されています。本堂は1321年に建立され、五重塔は1348年に建立されたことが確認されており、五重塔は全国の国宝塔の中で5番目の古さを誇ります。
三仏寺 (鳥取県東伯郡三朝町)
<国宝>奥院(投入堂)
鳥取県東伯郡三朝町に位置する天台宗の寺院で、山号は三徳山です。この寺院は、706年に役行者によって開かれ、849年に慈覚大師円仁により本尊として釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来が安置されました。特に有名なのは、垂直に切り立った絶壁に建てられた国宝の奥院投入堂です。三徳山は1934年に国の史跡及び名勝に指定され、2015年には日本遺産の一つに認定されました。
出雲大社 (島根県出雲市)
<国宝>本殿
島根県出雲市にある神社で、主祭神は大国主大神です。創建は古代にさかのぼり、神話において国譲りの舞台とされています。江戸時代までの祭神は素戔嗚尊でしたが、現在は大国主大神に戻っています。出雲大社は全国の神々が集まる場所として知られ、特に縁結びの神として信仰されています。
神魂神社 (島根県松江市)
<国宝>本殿
島根県松江市にあり、主祭神は伊弉冊大神と伊弉諾大神です。この神社の本殿は、日本で最も古い大社造りの建築として国宝に指定されています。出雲国造の大祖、天穂日命が創建したと伝わり、出雲国造家と深い関連があります。平安時代中期頃の創建とされ、出雲大社の摂社としての歴史も持ちます。境内には、他にも多数の社があり、特に秋上家の文書によれば、中世末期から近世初期ごろに現在の祭神が定められました。
松江城 (島根県松江市)
<国宝>天守
“松江城は、島根県松江市に位置する江戸時代の城で、「千鳥城」とも呼ばれています。国宝に指定された現存天守の1つであり、城跡は国の史跡にも指定されています。小瀬甫庵の設計による平山城で、江戸時代には松江藩の政庁として活用されました。山陰地方で唯一現存する天守で、高さ約30mの亀田山に建てられた天守からは宍道湖を眺望できます。明治時代初頭に廃城令により解体される予定でしたが、地元
の有志によって天守閣だけは買い戻されて保存されました。
功山寺 (山口県下関市)
<国宝>仏殿
功山寺は、山口県下関市長府にある曹洞宗の寺院で、長府毛利家の菩提寺です。金山(きんざん)という山号を持ち、中国三十三観音霊場の第十九番札所として知られています。1327年に虚庵玄寂を開山として臨済宗の長福寺として創建され、後に曹洞宗に改宗されました。特に有名なのは、鎌倉時代の禅宗様建築を代表する国宝指定されている仏殿です。この寺院は、幕末に高杉晋作が挙兵した歴史的な場所としても知られ、境内には高杉晋作の像が立っています。
住吉神社 (山口県下関市)
<国宝>本殿
住吉神社は山口県下関市にある神社で、式内社(名神大社)、長門国の一宮です。大阪の住吉大社、博多の住吉神社とともに「日本三大住吉」の一つに数えられ、本殿は国宝に指定されています。主祭神は住吉三神、応神天皇、武内宿禰命、神功皇后、建御名方命で、大阪の住吉大社が住吉三神の和魂を祀るのに対し、この神社では荒魂を祀っています。創建は仲哀天皇9年とされ、軍事と海上交通の神として厚い崇敬を受けてきました。室町時代に大内弘世によって造営された本殿は九間社流造で、中央の第三殿の前に拝殿があります。拝殿は毛利元就の寄進により造営され、重要文化財に指定されています。
瑠璃光寺 (山口県山口市)
<国宝>五重塔
瑠璃光寺は、山口市香山町にある曹洞宗の寺院で、国宝の五重塔を中心にした境内が香山公園と呼ばれ、桜や梅の名所としても知られています。室町時代の大内氏全盛期の文化を伝える寺院であり、西の京・山口を代表する観光名所です。五重塔は、大内文化の最高傑作と称され、嘉吉2年(1442年)頃に建立されました。高さ31.2mで、檜皮葺きの屋根と回縁勾欄の逆蓮頭や円形須弥壇などが特徴です。日本の仏塔としては珍しい円型の須弥壇を持ち、夜間はライトアップされます。この五重塔は日本三名塔の一つに数えられ、大内義弘の墳塋があると伝えられています。
神谷神社 (香川県坂出市)
<国宝>本殿
神谷神社は香川県坂出市に鎮座する神社で、式内社に列し、旧社格は郷社です。この神社は五色台の一峰、白峰山の麓に位置し、境内の北方には神谷川が流れています。造営年代が明らかな流造社殿の中では最古のもので、国宝に指定されています。祭神は火結命、奥津彦命、奥津姫命です。創建は伝承によると弘仁3年(812年)で、空海の叔父が社殿を造営し、春日四神を勧進したと伝えられています。2022年9月27日に本殿に落雷があり屋根の一部を焼失しましたが、2025年秋に修復完了予定です。
本山寺 (香川県三豊市)
<国宝>本堂
香川県三豊市にある高野山真言宗の寺院で、807年に空海によって開創されたと伝えられています。山号は七宝山、持宝院と号し、四国八十八箇所霊場の第七十番札所です。本堂は国宝に指定され、その他にも重要文化財や県指定有形文化財が多数あります。鎌倉時代再建の本堂は、純和様建築の特徴を持ち、内部には秘仏である馬頭観音をはじめ、薬師如来や阿弥陀如来を安置しています。
大宝寺 (愛媛県松山市)
<国宝>本堂
愛媛県松山市に位置する真言宗豊山派の寺院です。701年に越智伊予守玉興によって創建されたと伝えられ、愛媛県内最古の木造建築である本堂は国宝に指定されています。本尊は阿弥陀如来坐像で、国の重要文化財です。また、江戸時代には松山藩主の祈願所としても知られ、1685年に本堂の修理が行われました。
太山寺 (愛媛県松山市)
<国宝>本堂
愛媛県松山市に位置する真言宗智山派の寺院で、四国八十八箇所巡りの第52番札所です。瀧雲山とも呼ばれるこの寺院の本尊は十一面観世音菩薩。伝承では587年に真野長者によって創建され、その後、1305年に河野氏によって再建された国宝の本堂があります。境内には、重要文化財に指定された二王門や木造十一面観音立像など、複数の文化財があります。また、境内からは経ヶ森や護摩ヶ森への道があり、自然美を楽しむことができます。
石手寺 (愛媛県松山市)
<国宝>二王門
愛媛県松山市にある真言宗豊山派の寺院です。本尊は薬師如来で、四国八十八箇所霊場の第51番札所です。衛門三郎の再来伝説と深い繋がりがあります。特筆すべきは国宝の仁王門と重要文化財に指定された本堂、鐘楼、三重塔などです。寺院は729年に創建され、その後、真言宗に改宗されました。また、ミシュランガイドで星1つに選定されるなど、観光客にも人気のスポットです。
豊楽寺 (高知県長岡郡大豊町)
<国宝>薬師堂
高知県大豊町にある真言宗智山派の寺院で、724年(神亀元年)に行基によって開創されたと伝わります。山号は大田山で、別名は柴折薬師です。この寺院は日本三大薬師の一つに数えられ、薬師堂は国宝に指定されています。12世紀頃(平安時代末期 – 鎌倉時代初期)に建立された薬師堂は四国最古の建造物とされ、内陣には如来像3体が安置されています。
吉備津神社(岡山県岡山市)
吉備津神社(岡山県岡山市)
向上寺(広島県尾道市)
向上寺(広島県尾道市)
厳島神社本社(広島県廿日市)
厳島神社本社(広島県廿日市)
明王院(広島県福山市)
明王院(広島県福山市)
三仏寺(鳥取県東伯郡三朝町)
三仏寺(鳥取県東伯郡三朝町)
神魂神社(島根県松江市)
神魂神社(島根県松江市)
松江城(島根県松江市)
松江城(島根県松江市)
瑠璃光寺(山口県山口市)
瑠璃光寺(山口県山口市)
神谷神社(香川県坂出市)
神谷神社(香川県坂出市)
石手寺(愛媛県松山市)
石手寺(愛媛県松山市)

九州地方の国宝建造物

宇佐神宮 (大分県宇佐市)
<国宝>本殿
大分県宇佐市にある神社で、725年に創建されました。全国に約44,000社ある八幡宮の総本社であり、日本三大八幡宮の一つです。主祭神は八幡大神(応神天皇)、比売大神、神功皇后の3柱です。境内には国宝に指定されている本殿3棟があり、特別な参拝作法が存在します。歴史的にも重要な場所で、伊勢神宮と並ぶ宗廟として古くから崇拝されています。
富貴寺 (大分県豊後高田市)
<国宝>大堂
富貴寺は大分県豊後高田市にある天台宗の寺院で、平安時代の建築である大堂が国宝に指定されています。山号は蓮華山と称され、本尊は阿弥陀如来です。富貴寺大堂は近畿地方以外で数少ない平安建築の一つで、2013年に富貴寺境内が国の史跡に指定されました。富貴寺は国東半島に位置し、古くから仏教文化が栄えていた地域です。仁聞によって開創されたと伝えられており、国東半島の六郷満山の一つです。
崇福寺 (長崎県長崎市)
<国宝>大雄宝殿、第一峰門
長崎市にある黄檗宗の寺院で、1629年に中国福建省出身の華僑によって建立されました。この寺院は、日本で最も古い中国様式の寺院で、大雄宝殿と第一峰門が国宝に指定されています。また、護法堂や三門などが国の重要文化財に指定されており、長崎三福寺の一つとして数えられています。
大浦天主堂 (長崎県長崎市)
<国宝>教会堂
長崎県長崎市にあるカトリック教会で、日本に現存する最古のキリスト教建築物です。1864年に竣工し、国宝に指定されています。この教会は、日本二十六聖殉教者に捧げられており、特に1865年に浦上の潜伏キリシタンが自身の信仰をプティジャン神父に告白した歴史的な場所として知られています。また、2018年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一部として世界遺産に登録されました。
通潤橋 (熊本県上益城)
<国宝>橋梁
熊本県上益城郡山都町にある石造単アーチ橋で、2023年に日本で初めて橋などの土木構造物として国宝に指定されました。1854年に建設され、78メートルの長さ、6.3メートルの幅、20メートルの高さを持ちます。この橋は通潤用水の一部として、水利に恵まれない白糸台地へ水を供給する目的で建造されました。通潤橋の中央上部に設置された放水口からは、灌漑利用が少ない時期に観光客向けの放水が行われます。
青井阿蘇神社 (熊本県人吉市)
<国宝>本殿・廊・幣殿・拝殿、楼門
熊本県人吉市にあり、806年に創建されたと伝えられています。主祭神は建磐龍命、阿蘇津媛命、国造速甕玉神で、阿蘇三社の一つです。社殿群は国宝に指定されており、慶長時代に建立されたものです。この神社は、桃山時代の装飾性を取り入れた独自の建築様式を持ち、地域文化に大きな影響を与えています。
玉陵 (沖縄県那覇市)
<国宝>墓室(東室・中室・西室)
玉陵は沖縄県那覇市にある、琉球王国第二尚氏王統の歴代国王とその家族の陵墓です。1501年、尚真王が父尚円王の遺骨を改葬するために築かれました。東室、中室、西室の3つの建築物に分かれており、中室は葬儀後遺体が骨になるまで放置され、洗骨後は東室に納められました。歴史資料として価値の高い碑文もあり、沖縄戦で大きな被害を受けたものの、1974年からの修復工事により往時の姿を取り戻しました。2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録され、現在は観光地としても有名です。
大浦天主堂(長崎県長崎市)
大浦天主堂(長崎県長崎市)
通潤橋(熊本県上益城郡山都町)
通潤橋(熊本県上益城郡山都町)
青井阿蘇神社(熊本県人吉市)
青井阿蘇神社(熊本県人吉市)

 

関西3府県の別記事です。

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