【西日本編】経産相指定の伝統的工芸品。漆芸、木工、仏具、陶磁器、織物、染め物、鉄器から和紙まで【地図2分割西日本版】

 

「経産大臣指定伝統工芸品」の西日本編。

古くから各地で作られ、技術を伝承してきた伝統工芸品。各地の織物や漆器、陶磁器、木工、仏具や箪笥などの日用品から芸術作品まで。

経済産業大臣が指定する伝統的工芸品を、地図にプロットし、その特徴とコメントの掲載。

全250ほどの指定のうち、当サイトの任意抜粋にて100前後に絞ったうえで、地図の大きさの観点から、全国2分割とした。この記事では「西日本編」を掲載。

北・東日本は、北・東日本編へ記載されています。

 

【西日本編】経産相指定の伝統的工芸品。漆芸、木工、仏具、陶磁器、織物、染め物、鉄器から和紙まで【地図2分割西日本版】

経産大臣指定伝統的工芸品(抜粋)(西日本)
経産大臣指定伝統的工芸品(抜粋)(西日本)

 

中部地方

 ——– 福井県 ——–
越前焼
(丹生郡越前町)
六古窯の一つ。鉄分の多い土を使用し、地肌の色は黒色から赤褐色まで変化する。黄~緑に近い自然釉が特徴である。
若狭めのう細工
(小浜市)
瑪瑙の原石を加工した工芸品。置物や茶碗、風鎮など。
越前箪笥
(越前市)
越前市や鯖江市で作られる箪笥。金具や漆塗りで装飾。

 

関西地方

 ——– 三重県 ——–
四日市萬古焼
(四日市)
ペタライトという鉱石を使用した耐熱性の高い陶器。急須や土鍋が有名で土鍋のシェアは80%を超える。豚の形の蚊取り線香置きでも有名。
伊賀焼
(伊賀市)
周辺の陶土や薪を使用して焼かれた。すり鉢や甕や壺の作陶が多い。
 ——– 滋賀県 ——–
近江上布
(彦根市)
湖東地方で生産される上布(麻布)。仕上げ工程に鈴鹿山脈の湧水が使用される。
信楽焼
(甲賀市)
六古窯の一つ。水簸しない土を用い、粗い粒子の砂などが含まれることが多い。絵付けをしないため釉薬や素地の模様付けが多様。たぬきの置物が有名。
 ——– 京都府 ——–
西陣織
(京都市)
京都の先染め織物の総称。高級織物。応仁の乱の西軍が本陣を置いた地域にちなむ。
京友禅
(府下)
草木染した下地に絵柄を手描きで挿す(手描き友禅の場合)。もともとは鴨川の水で布を晒していた。
 ——– 大阪府 ——–
大阪唐木指物
(府下)
拭き漆を重ねて鏡面仕上げされている木工品。大阪府の他、兵庫県姫路市や奈良県奈良市、和歌山県有田市、福井県越前市など。
浪華本染め
(堺市)
明治時代に大阪で開発された染色技法。注染のこと。手拭や浴衣の他、アロハシャツ、日傘などの製品がある。
 ——– 兵庫県 ——–
出石焼
(豊岡市)
白磁を中心とした磁器。透き通る真っ白い地肌に彫りで模様や絵をつけるのが特徴。全国唯一の磁器のみの公募展が行われている。
播州そろばん
(小野市)
国内そろばんの70%を占める。樺や黒檀、柘植などが使用され、全盛期には350万丁を作った。
 ——– 奈良県 ——–
高山茶筌
(生駒市)
全国で唯一の茶筌の産地。室町時代中期に発し、当地で技術が相伝されてきた。
奈良墨
(奈良市)
国内の固形墨の95%のシェアを誇る。仏教伝来の後、飛鳥時代には製造が始まったとされる。
 ——– 和歌山県 ——–
紀州漆器
(海南市)
海南市黒江で作成される漆器。下地に柿渋や膠を用いており丈夫なのが特徴。黒江塗とも呼ばれる。
紀州箪笥
(和歌山市)
和歌山城天守の再建に端を発する桐箪笥。側面や背面も桐を用いた総桐に分類される。

 

中国・四国地方

 ——– 鳥取県 ——–
弓浜絣
(境港市)
境港市や米子市などの弓ヶ浜半島で作られる絣。先染めした糸で織った織物。
因州和紙
(鳥取市)
旧青谷町、旧佐治村が生産地。書道や水墨画用の画仙紙のシェア60~70%を持つ。
 ——– 島根県 ——–
石見焼
(江津市)
古くから窯業が盛んで、飯銅と呼ばれる大甕が有名。近年多様なニーズと時代の変化に沿って日用品も多く焼く。
石州和紙
(浜田市)
強く柔らかい特徴から古くは障子紙として重宝された。現在はその用途は減り、文化財修理や賞状用紙などとして用いられている。
 ——– 岡山県 ——–
備前焼
(備前市)
六古窯の一つ。釉薬を一切使わず、固く焼しめた赤い地肌が特徴。日用品など多く生産されている。
勝山竹細工
(真庭市)
他地方の竹細工は孟宗竹が用いられるが、勝山竹細工は真竹を用いて作られている。
 ——– 広島県 ——–
宮島細工
(廿日市)
厳島で作られる木工品。杓子、宮島彫り、刳り物細工など種類が多い。
熊野筆
(安芸郡熊野町)
日本最大の生産地でシェア8割を持つ。毛筆、画筆、化粧筆などが作られる。
 ——– 山口県 ——–
萩焼
(萩市)
「一楽二萩三唐津」に数えられるほど茶の湯に重宝された焼き物。「貫入」とそれによる「七化け」が特徴。
赤間硯
(下関市)
赤間石という硯に適した石で作った硯。実用的で、且つ美術的価値も高い。
 ——– 徳島県 ——–
大谷焼
(鳴門市)
人が悠々と入れるほどの大甕の産地。一人が横になって足でろくろを回す寝轆轤で作られる。近年、需要に伴い日用品の作例が増える。
阿波和紙
(吉野川市)
吉野川流域で栄えた手漉き和紙。江戸時代には徳島藩の財源となった。
 ——– 香川県 ——–
香川漆器
(高松市)
讃岐漆器、高松漆器とも。彫漆、蒟醤、存清、後藤塗、象谷塗の5技法が指定されている。
丸亀うちわ
(丸亀市)
うちわの全国シェア9割を誇る。男竹丸柄が一般的。
 ——– 愛媛県 ——–
砥部焼
(伊予郡砥部町)
白磁に呉須で図案の入ったデザインが多い。食器、花器など。頑丈で割れにくいことから、夫婦喧嘩で投げつけても割れない「喧嘩器」の別名を持つ。
大洲和紙
(大洲市)
薄く丈夫で漉きムラがないことが特徴。障子紙、書道用紙など。高級建材としても。
 ——– 高知県 ——–
土佐打刃物
(香美市)
桃山時代には400軒の鍛冶屋があったとされる。香美市の他、南国市、須崎市、土佐市やいの町南部でせいさんされる。
土佐和紙
(土佐市)
土佐市やいの町で作られる手漉き和紙。種類が豊富。文化財補修に使用する「土佐典具貼紙」など。

九州地方

 ——– 福岡県 ——–
小石原焼
(朝倉郡東峰村)
主に生活雑器を焼く。成型時に轆轤で回しながら小手や刷毛で幾何学模様を入れるのが特徴。刷毛目や飛鉋、櫛描きなど。
博多人形
(福岡市)
1600年代頃までさかのぼる博多地区で作られてきた素焼きの土人形。
 ——– 佐賀県 ——–
伊万里焼・有田焼
(有田町)
製品の積み出し港が伊万里港だったためその名称で呼ばれる。有田焼や波佐見焼も含む。
唐津焼
(唐津市)
唐津物の名の元となった地名。高温で焼しめ素朴且つ渋みがある。茶器として重宝される。渋い絵付けや斑など種類がある。
 ——– 長崎県 ——–
波佐見焼
(波佐見町)
江戸時代から大衆向け食器を多量に焼いており、今日でも日用食器の生産が盛ん。
長崎べっ甲
(長崎市)
江戸時代の鎖国の影響で材料である亀の甲羅が入りやすかった長崎で発達。現在、材料が輸入できず天然素材は希少化。
 ——– 熊本県 ——–
小代焼
(玉名郡南関町、荒尾市)
「小岱焼」とも表記。粗い粘土と茶褐色の釉薬、藁灰釉など白色の釉薬をかけ流すのが特徴。豪快、大胆、自由な作風。
肥後象嵌
(熊本市)
400年前から熊本市を中心に作られる金工品。鉄の板の表面に切れ目を付け金や銀をはめ込んでいる。
山鹿灯籠
(山鹿市)
手すき和紙と糊だけを用いて作る立体的な紙細工。灯籠まつりで踊りてが頭に乗せる。
 ——– 大分県 ——–
別府竹細工
(別府市)
別府市を中心に作られる竹細工。真竹の生産量全国1位の大分県の豊富な竹材を利用している。
 ——– 宮崎県 ——–
本場大島紬
(都城市)
戦後奄美大島からの疎開で都城市に伝わる。奄美の分業制と異なり一事業者による一貫生産。
都城大弓
(都城市)
和弓のトップシェアを誇る。良質な竹材を用い2mを超える大弓を作る。起源は不明だが江戸時代には作られていた記録が残る。
 ——– 鹿児島県 ——–
本場大島紬(本場奄美大島紬
(奄美市)
特に奄美大島で作られたものを「本場奄美大島紬」と呼ぶ。
薩摩焼
(姶良市)
樫野系、龍門司系、苗代川系がある。白土を使い金や赤、緑など華美な絵付けを行った白薩摩と、鉄分の多い土で焼いた大衆向けの黒薩摩がある。
川辺仏壇
(南九州市)
南九州市川辺町で作られる京型仏壇。日本有数の仏壇の産地。
 ——– 沖縄県 ——–
琉球絣
(南風原町)
主に絹糸を用いた織物。沖縄由来の図柄を用いた多彩な模様が特徴。
喜如嘉の芭蕉布
(大宜味村)
シマバショウの繊維で織られる織物。高温多湿な気候でも生地が体に付きにくい。
久米島紬
(久米島町)
久米島町でルクラれる素朴な風合いのしなやかな染織物。天然染料を使用した手織りで、深い色調を持つ。
宮古上布
(宮古島市)
麻織物。上布と呼ばれる。一反に2か月かかり、「東の越後、西の宮古」と評される上布の最高級品。

 

 

経産大臣指定伝統的工芸品(抜粋)(西日本)
経産大臣指定伝統的工芸品(抜粋)(西日本)

経済産業大臣指定伝統的工芸品

経済産業大臣指定伝統的工芸品(けいざいさんぎょうだいじんしていでんとうてきこうげいひん)は、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号)に基づいて経済産業大臣により指定された日本の伝統工芸品を指す(Wikipedia)

 


 

 

北・東日本は、北・東日本編へ記載されています。

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