石川県の観光地・名所:日本三名園の「兼六園」、九十九湾や曽々木海岸など能登半島の自然が生み出す造形美など定番から穴場まで。

 

石川県の観光地・名所:日本三名園の「兼六園」、九十九湾や曽々木海岸など能登半島の自然が生み出す造形美など定番から穴場まで。

北陸地方に位置する石川県には、海と山に囲まれた豊かな自然景観と、加賀百万石の歴史に彩られた文化遺産が数多く残されている。

特別名勝に指定される日本三名園のひとつ「兼六園」や、世界でも珍しい噴泉塔を有する「岩間の噴泉塔群」、さらには能登半島の自然が生み出す九十九湾や千枚田など、多彩な観光資源が各地に広がる。

国の名勝や天然記念物、日本百景、滝百選、桜名所、名城、温泉、古社寺など、石川県の観光地を網羅的に紹介する。

石川県の観光地・名所:日本三名園の「兼六園」、九十九湾や曽々木海岸など能登半島の自然が生み出す造形美など定番から穴場まで。

石川県の観光地・名所一覧・地図
石川県の観光地・名所一覧・地図

石川県の国指定名勝・天然記念物・日本百景

石川県の特別天然記念物には、白山市の「岩間の噴泉塔群」がある。

これは、温泉に含まれる成分が沈殿して塔状に成長したもので、一部の塔は高さ2メートルを超え、世界的にも希少な地形とされる。

白い塔と緑の苔が織りなすコントラストが美しく、訪れる人々の目を引きつける。

 

特別名勝には、金沢市兼六園が選ばれている。

加賀藩によって築庭されたこの庭園は、日本三名園の一つに数えられ、四季折々の美を見せる名勝である。

桜の季節には県内唯一の「日本さくら名所100選」としても知られ、訪れる人々を魅了してやまない。

兼六園(金沢市)
兼六園(金沢市)

 

国の名勝には、輪島市曽々木海岸白米千枚田がある。

 

曽々木海岸 垂水の滝

曽々木海岸では、海に直接滝が流れ落ちるという珍しい景観を見ることができ、白米千枚田は日本海に向かって段々に広がる棚田であり、その造形美が高く評価されている。

白米千枚田(輪島市)
白米千枚田(輪島市)

また、日本百景には、能登半島リアス海岸で知られる九十九湾七尾湾沿いに広がる和倉温泉、さらに加賀市内に位置する片山津温泉山中温泉が指定されており、温泉地としての魅力も際立っている。

九十九湾

石川県の百選:渚、名城、滝、さくら名所

桜の名所として名高い兼六園は、県内で唯一「日本さくら名所100選」に選ばれている。

園内に咲き誇る桜と伝統的な庭園の融合は、まさに和の風情そのものである。

 

日本の滝百選には、白山市の姥ヶ滝が名を連ねている。

落差111メートルのこの滝は、岩肌を広く流れ落ちる扇状の姿が特徴で、滝の対岸には足湯が設けられており、湯に浸かりながら眺めを楽しめる名所である。

姥ケ滝(石川県白山市)
姥ケ滝(石川県白山市)

 

石川県は海に面していることもあり、「日本の渚百選」にも複数の海岸が選出されている。

珠洲市鉢ヶ崎海岸、白山市の小舞子海岸、そして最も有名な羽咋市から宝達志水町にかけて続く千里浜なぎさドライブウェイがその例である。

鉢が崎海岸

千里浜なぎさドライブウェイは、日本で唯一、普通の自動車が砂浜を直接走行できる海岸道路で、波打ち際をドライブするという特別な体験ができる。

ただし、近年では海岸の侵食が進み、走行できる区間が減少している。

千里浜なぎさドライブウェイ(羽咋市・宝達志水町)
千里浜なぎさドライブウェイ(羽咋市・宝達志水町)

 

名城の観点からは、七尾市七尾城と金沢市の金沢城が「日本の100名城」に選ばれており、白山市の鳥越城が「続日本100名城」として登録されている。

七尾城は標高300メートル以上の山上に築かれた中世の山城で、能登半島や日本海を一望できる眺望が自慢である。

七尾城(七尾市)
七尾城(七尾市)

金沢城は加賀藩前田家の居城として栄え、現在は石垣や櫓、石川門などが復元・保存されており、城址公園として整備されている。

金沢城 五十間長屋(金沢市)
金沢城 五十間長屋(金沢市)

鳥越城は戦国時代に一向一揆勢力の拠点として築かれた山城で、現在は曲輪や空堀、門の一部が再建され、遺構が確認できる。

鳥越城址(白山市)

石川県の古社寺・観光地と温泉地

石川県の温泉地としては、百景に名を連ねる和倉温泉、片山津温泉、山中温泉がとくに有名である。

和倉温泉は七尾湾に面した高級温泉街で、海を眺めながら入浴できる旅館やホテルが立ち並ぶ。

和倉温泉(七尾市)

片山津温泉は、柴山潟の湖畔に湧く温泉地で、かつては30軒以上の宿泊施設を擁する繁華な温泉街だったが、現在では半数近くに減少している。

片山津温泉と柴山潟(加賀市)
片山津温泉と柴山潟(加賀市)

 

一方、山中温泉は開湯1300年とも言われ、奈良時代の高僧・行基が発見したという伝説も残る歴史ある名湯である。

これに加えて、山代温泉もまた、北陸地方最大級の温泉地の一つとして名を連ねており、加賀温泉郷の中核を成す存在である。

 

石川県の古社寺では、金沢市にある妙立寺が「忍者寺」として知られ、その内部には隠し階段や落とし穴などが数多く設けられており、かつての防衛施設としての工夫を体感できる。

また、那谷寺は、奇岩と紅葉が織りなす絶景が有名で、日本紅葉の名所百選にも選ばれている。

千手観音を本尊とする那谷寺は、33年に一度の御開帳が行われる貴重な霊場でもある。

那谷寺(石川県小松市)
那谷寺(石川県小松市)

 

このほか、金沢市のひがし茶屋街は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、格子戸が美しい町家や茶屋建築が今もなお往時の風情を残す。

珠洲市見附島は、通称「軍艦島」とも呼ばれ、海岸から突き出たその形状が特徴的な海岸景勝地だった。

2022年以降数度の地震で崩れ、現在はその大きさを半分程まで縮小しており往時の景観は失われている。

見附島(珠洲市)
往時の見附島(珠洲市)

七尾市には、北陸最大級の規模を誇るのとじま水族館があり、多彩な海洋生物の展示とイルカショーなどが人気を集める。

また、加賀市の鶴仙渓は、四季折々の自然美を楽しめる散策路が整備されており、山中温泉と合わせて訪れる観光客も多い。

鶴仙渓(加賀市)
鶴仙渓(加賀市)

まとめ

石川県は、歴史と文化、自然景観が絶妙に調和した観光資源の宝庫である。

加賀百万石の文化を今に伝える金沢の城郭や庭園、日本海の雄大な景観が広がる能登半島の海岸線、千里浜の渚を走る特別な体験、そして数々の温泉地と山中の古刹が、旅人を深い満足へと導く。

どの季節に訪れても、その土地が持つ魅力に触れることができる石川県は、まさに観光と文化の交差点である。

小舞子海岸(白山市)
小舞子海岸(白山市)
石川県の観光地・名所一覧・地図
石川県の観光地・名所一覧・地図

 

(外部リンク)石川県のホームページ

(外部リンク)石川県観光連盟サイト「ほっと石川旅ねっと」