香川県の名所案内|寒霞渓・金刀比羅宮・父母ヶ浜。小豆島からこんぴらさんへ瀬戸内海と讃岐山地に挟まれた名所と定番と穴場

 

四国の北東部に位置する香川県は、日本一小さな県でありながら、濃縮された魅力を数多く備えている。

讃岐うどんの名で知られる食文化に加え、歴史的な古社寺や国の特別名勝・特別天然記念物、さらには日本百景や百選に選ばれた自然景観が点在する。

小豆島の寒霞渓や父母ヶ浜、こんぴらさんこと金刀比羅宮など、国内外の観光客を惹きつける名所は枚挙にいとまがない。

この記事では、香川県の世界的価値をもつ遺産や百選の観光地、温泉や絶景スポットまで、地図とともに詳しく紹介していく。

 

 

香川県の名所案内|寒霞渓・金刀比羅宮・父母ヶ浜。小豆島からこんぴらさんへ瀬戸内海と讃岐山地に挟まれた名所と定番と穴場

香川県の観光地・名所一覧・地図
香川県の観光地・名所一覧・地図

 

名勝や日本百景・特別史跡・天然記念物──讃岐に息づく歴史と自然

 

香川県は「世界遺産」に登録された資産こそ存在しないが、その代わりに国の特別天然記念物や特別史跡、名勝に恵まれている。

代表的なのが小豆島にある宝生院のシンパクで、樹齢1500年以上とされる巨樹は、真柏の中でも最大級のスケールを誇り、生命力あふれる姿で訪れる人々を圧倒する。

 

特別史跡として指定されているのは讃岐国分寺跡である。

奈良時代に聖武天皇の命によって建立されたこの寺は、国分寺の制度を伝える重要な遺跡であり、現在は史跡公園として整備され、往時を偲ばせる建物が復元されている。

 

特別名勝には栗林公園が挙げられる。

江戸時代初期から松平家の庭園として整備された大名庭園で、背景に紫雲山を借景として取り込み、6つの池と13の築山を巧みに配置した景観美は「一歩一景」と称される。

栗林公園
栗林公園

国内外からの観光客が絶えない香川随一の名所だ。

 

そのほか、国の名勝には寒霞渓神懸山象頭山満濃池琴弾公園がある。

象頭山
象頭山

寒霞渓は小豆島を代表する渓谷で、奇岩や断崖と四季折々の紅葉が織りなす景観が「日本三大奇景」に数えられ、日本百景にも選ばれている。

寒霞渓(小豆島)
寒霞渓(小豆島)

琴弾公園の銭形砂絵「寛永通宝」は金運スポットとして知られ、山頂から見下ろすと見事な円形に見える。

琴弾公園(観音寺市)
琴弾公園(観音寺市)

また、日本二十五勝の一つである屋島は、源平合戦の古戦場としても有名で、山上からは瀬戸内海の多島美が一望できる。

屋島からの眺め
屋島からの眺め

香川県は自然景観と歴史が調和する地であり、訪れるごとに新たな魅力を発見できる。

 

百選に輝く景勝──桜・渚・城・滝の名所

香川県には全国規模の百選に選ばれた観光地も多い。

まず「日本の渚百選」には津田の松原満濃池有明海岸の三か所が選出されている。

津田の松原は白砂青松の典型で、紺碧の海と松林が連なる景勝地である。

満濃池は日本最大級の農業用ため池であり、ため池の風景が渚百選に選ばれるのは全国的にも珍しい。

有明海岸は瀬戸内海に面し、白い砂浜と穏やかな波が特徴的だ。

満濃池
満濃池

桜の名所としては琴弾公園が「日本さくら名所100選」に指定されている。

園内には約3500本の桜が咲き誇り、銭形砂絵とあわせて春の風物詩として人気を集めている。

 

「日本の百名城」には高松城丸亀城が指定されている。

高松城は海水を引き込んだ水城として知られ、日本三大水城の一つに数えられる。

高松城(高松市)
高松城(高松市)

丸亀城は現存する天守の中で日本一小さいながら、石垣の高さは日本一を誇る。

丸亀城(丸亀市)
丸亀城(丸亀市)

続日本100名城には引田城が選ばれ、戦国期の歴史を伝えている。

 

滝の名所としては寒霞渓の断崖に見られる小滝群や、豊かな渓谷美とともに親しまれる不動の滝が挙げられる。

規模こそ全国的に知られる大滝ほどではないが、讃岐ならではの地形と渓流が生み出す独特の美しさを堪能できる。

名刹と名湯──信仰と癒しの香川を巡る

香川県を語るうえで欠かせないのが金刀比羅宮である。

こんぴらさん」として親しまれるこの神社は、古くから航海安全や五穀豊穣の神として信仰されてきた。

奥社まで続く1368段の石段は修行のような道のりだが、登り切った先に広がる景観と達成感は格別である。

金刀比羅宮
金刀比羅宮

また、小豆島八十八ヶ所霊場四国八十八ヶ所霊場も香川県にまたがり、古来より巡礼者が行き交ってきた。

象頭山の金刀比羅宮、屋島の寺院群、四国霊場第八十三番の一宮寺など、県内各地に古社寺が点在し、信仰文化を今に伝えている。

 

温泉地も豊富だ。

草木に囲まれた自然豊かな塩江温泉郷は「高松の奥座敷」と呼ばれ、静かな山間で湯浴みを楽しめる。

塩江温泉郷
塩江温泉郷

 

金刀比羅宮の門前町にはこんぴら温泉郷が広がり、参拝と温泉を一度に楽しめる人気の観光地である。

さらに小豆島温泉は海を望む露天風呂が多く、瀬戸内海の絶景を眺めながら湯に浸かる贅沢な時間が過ごせる。

 

これらの古社寺と温泉は、香川の旅に「祈り」と「癒し」を与えてくれる。

歴史と自然を満喫した後に、温泉で心身を休める旅路はまさに贅沢そのものだ。

 

その他の見どころ──絶景スポットと近代遺産

香川県には他にも訪れる価値のある観光地が多い。

特に注目を集めるのが三豊市の父母ヶ浜である。

干潮時に海面が鏡のように反射し、まるで南米ボリビアのウユニ塩湖のような幻想的な光景を見せる。

夕暮れ時には真っ赤に染まる空が水面に映り込み、SNS映えスポットとして人気急上昇中だ。

父母ヶ浜(三豊市)
父母ヶ浜(三豊市)

父母ヶ浜と同じく三豊市にある津島神社は、市の北部、瀬戸内海に浮かぶ津島にある。

津島神社(三豊市)
津島神社(三豊市)

同じ三豊市の有明浜も穏やかな砂浜が続き、夕日の美しさで知られる。

 

さらに、豊稔池堰堤は日本で唯一のマルチプルアーチ式ダムとして知られ、国の重要文化財にも指定されている。

石造の重厚な姿は、近代土木遺産の象徴として訪れる者を魅了してやまない。

豊稔池堰堤(柞田川上流)
豊稔池堰堤(柞田川上流)

 

香川県と岡山県を結ぶ瀬戸大橋や瀬戸大橋記念公園も外せない観光地だ。

橋の雄大な姿を望む展望タワーや資料館が整備され、海と空を背景にした絶景を楽しめる。

瀬戸大橋(中央の橋麓に記念公園と展望タワー)
瀬戸大橋(中央の橋麓に記念公園と展望タワー)

香川は古代から近代に至るまで、多彩な歴史と風景を蓄えた土地である。

 

香川県の観光地・名所一覧・地図
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