熊本県の観光地・名所と地図:阿蘇・天草・球磨川・熊本城、全部が主役の熊本県。世界遺産「崎津」に「三角西港」の定番と穴場。

 

 

熊本県の観光地・名所と地図:阿蘇・天草・球磨川・熊本城、全部が主役の熊本県。世界遺産「崎津」に「三角西港」の定番と穴場。

 

世界遺産である「明治日本の産業革命遺産」構成遺産や、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」構成遺産など、宗教的・産業的遺構をはじめ、全国的にも評価の高い名所旧跡を有する熊本県。

四季折々の風景美に彩られた自然景観、そして豊富な温泉資源、火山や島嶼部などの観光資源を備える。

国の名勝や、特別史跡・熊本城、滝百選や百名城、桜名所に加え、温泉地、古社寺など熊本県の観光名所と穴場を掲載。

 

熊本県の観光地・名所と地図:阿蘇・天草・球磨川・熊本城、全部が主役の熊本県。世界遺産「崎津」に「三角西港」の定番と穴場。

熊本県の観光地・名所一覧・地図
熊本県の観光地・名所一覧・地図

 

世界遺産:信仰と近代化の軌跡が残る地

 

熊本県には、二つの世界遺産が登録されている。

ひとつは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である「﨑津集落」だ。

天草市に位置するこの漁村は、禁教期のキリスト教信仰が地域の文化と融合し、独自の信仰形態を育んだ場所である。

海辺に佇む「﨑津教会」や「大江教会」、祈りの象徴として海上に設置された「マリア像」が訪れる者に深い感慨を与える。

周辺には天草キリシタン館や資料館も整備され、かつての信仰の息吹を追体験することができる。

崎津集落(天草市)

もう一つの世界遺産は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産である。

熊本では、三井石炭鉱業株式会社三池炭鉱旧万田坑施設(荒尾市)と、その輸送路であった「三池炭鉱専用鉄道敷跡」、さらに宇城市の「三角旧港(三角西港)」が該当する。

三角旧港は、明治期の築港技術の粋を集めた石積みの港湾であり、今もなお当時の意匠と技術の粋が風景に残る。

三角西港(宇城市)
三角西港(宇城市)
万田坑(荒尾市)
万田坑(荒尾市)

 

特別天然記念物・名勝・日本百景。自然と文化の調和が生む風景美

熊本県は、特別天然記念物として「相良のアイラトビカズラ」を有している。

山鹿市菊鹿町の相良寺周辺に自生するこの蔓植物は、樹木を覆うように枝を広げ、5月には紫紅色の花が房状に咲き乱れる。

日本における分布は極めて限られており、その存在自体が自然の奇跡と呼ぶにふさわしい。

 

国宝には、土木構造物として初めて国宝指定された通潤橋や人吉市の青井阿蘇神社などがある(後述)

 

国指定の名勝も数多い。

千巌山および高舞登山」は、有明海を見下ろす上天草市の絶景地であり、特に夕暮れ時の光景は写真家に愛されている。

不知火及び水島」は、日本書紀にも記された神秘的な発光現象・不知火の名残をとどめる。

米塚および草千里ヶ浜」は阿蘇のカルデラ内に広がる大草原と火山丘で、阿蘇の雄大さを体感できる象徴的な場所だ。

米塚
米塚

天草灘を臨む「妙見浦」、洞窟や断崖が多く存在する「龍仙島(片島)」、深海湾を見下ろす「六郎次山」、そして上天草の「竜ヶ岳」も、地形の複雑さと海の透明度が織りなす雄大な景観を誇る。

 

さらに、三大下り宮のひとつ「草部吉見神社」は、社殿が参道よりも下にあるという独特の構造をもつ神社で、阿蘇郡高森町に位置している。

 

また、「矢岳越え」はJR肥薩線の名所であり、霧島連山や桜島を一望できる日本三大車窓のひとつとしても名高い。(2020年7月の豪雨災害でこの区間(八代〜吉松を含む山線)が被災し、以降不通)

 

日本二十五勝に数えられるのが、熊本最大の河川「球磨川」と、雄々しい「阿蘇山」である。

球磨川は人吉盆地から八代平野へと流れ、激流と豊穣が共存する。

人吉盆地の球磨川
人吉盆地の球磨川

 

阿蘇山は、高岳・中岳・根子岳・杵島岳・烏帽子岳の五岳を中心に外輪山を取り囲む世界的にも稀有な地形を持ち、常に噴煙を上げる火口は大地の息吹そのものだ。

外輪山から望む阿蘇五岳
外輪山から望む阿蘇五岳

百選スポット(名城・滝・渚・桜)選ばれし景観の宝庫

 

熊本には全国百選に選ばれた景勝地も数多い。

「日本の渚百選」には、天草市の白鶴浜妙見ヶ浜キリシタンの里崎津有明海の砂干潟が名を連ねている。

とりわけ御輿来海岸では、有明海の干満差が生み出す美しい砂紋が夕陽と相まって幻想的な景色を創り出している。

御輿来海岸(宇城市)
御輿来海岸(宇城市)

「日本の滝百選」には、菊池市の四十三万滝、人吉市の鹿目の滝、南阿蘇村の数鹿流ヶ滝、八代市の栴檀轟の滝が挙げられる。

いずれも水と岩が織りなす自然の造形美が光る。

鹿目の滝(人吉市)
鹿目の滝(人吉市)

「日本百名城」には、熊本市の熊本城と人吉市の人吉城が選定されている。

熊本城は戦国末期に加藤清正が築いた難攻不落の平山城で、現在も復元整備が進む歴史的象徴である。

熊本城(熊本市)
熊本城(熊本市)

続日本百名城には、山鹿市の鞠智城、八代市の八代城が名を連ねている。

「日本さくら名所百選」には、熊本城と市房ダム湖畔(水上村)、水俣市のチェリーラインが選ばれている。

とりわけ南阿蘇の「一心行の大桜」は樹齢400年を超え、一本桜とは思えぬほどの存在感を放つ。

 

温泉地・歴史的建築・社寺。癒しと祈りが根づく土地

熊本は温泉天国とも称される。

なかでも杖立温泉黒川温泉人吉温泉湯の鶴温泉は「美人の湯」「美肌の湯」として知られ、湯治場としても長い歴史を持つ。

加えて、内牧温泉菊池温泉日奈久温泉玉名温泉など、多様な泉質と雰囲気を味わえる温泉地が点在している。

黒川温泉
黒川温泉

 

歴史的土木遺産として名高いのが「通潤橋」である。

江戸時代に山都町に架けられたアーチ式水道橋で、今なお放水が行われており、地域の農業を支えている。

令和五年、土木構造物としては初めて「国宝」に指定された。

通潤橋
通潤橋

神社仏閣としては「青井阿蘇神社」が際立つ。

806年創建、球磨地方の総鎮守として信仰を集め、現在は国宝にも指定されている。

その茅葺屋根と豪壮な彫刻装飾は、肥後の建築文化を象徴する存在だ。

青井阿蘇神社(人吉市)
青井阿蘇神社(人吉市)

 

イルカと出会える海、すべてが旅の舞台となる

熊本観光のユニークな魅力の一つが、天草の「イルカウォッチング」である。

野生のイルカが年間を通じて見られる稀有なスポットであり、クルーズに参加すればかなりの確率でその姿を観察できる。

自然と人間が無理なく共生する天草の海は、観光以上の価値を秘めている。

 

このように、熊本県は自然、歴史、文化、信仰、癒しのすべてが凝縮された場所である。

各所に刻まれた物語は、単なる観光ガイドの項目ではない。

風景の奥にある人々の営みや祈りが、訪れる者の記憶に深く残る。

それこそが熊本という土地の、本当の魅力である。

 

熊本県の観光地・名所一覧・地図
熊本県の観光地・名所一覧・地図

 

English page(Kumamoto prefecture. Map of sightseeing spots)

熊本県の地理

(外部リンク)熊本県のホームページ

(外部リンク)熊本県観光サイト もっと、もーっと!くまもっと。