沖縄県の地図・地形:辺戸岬から喜屋武岬。万座毛、中城湾に太平洋や東シナ海。一級河川のない沖縄本島の大地

 

沖縄県の地図・地形:辺戸岬から喜屋武岬。万座毛、中城湾に太平洋や東シナ海。一級河川のない沖縄本島の大地

 

沖縄県は、日本の最南端に位置する都道府県であり、大小600以上の島々からなる。

東は太平洋、西は東シナ海に囲まれ、北海道と並び「他都道府県と地続きで接していない」特異な地理を持つ県でもある。

地形は大きく3つの島嶼(とうしょ)群に分けられ、沖縄本島を中心とする「沖縄諸島」、石垣島や西表島を含む「先島諸島」、そして大東島を含む「大東諸島」がある。

全域が亜熱帯気候に属し、一部は熱帯に近い環境を持つ。

そのため、年間を通じて温暖な気候が続き、美しいサンゴ礁や独自の生態系が形成されている。

そんな沖縄県の山や河川、湾、半島、島、岬などなどを地図を交えて掲載。

尚、ここでは沖縄本島とその周辺に限っての掲載となる。

沖縄県の地図・地形:辺戸岬から喜屋武岬。万座毛、中城湾に太平洋や東シナ海。一級河川のない沖縄本島の大地

 

沖縄県の地理、地形、地図。位置や半島、湾や島の名前など
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沖縄県の位置と沿岸部の特徴

沖縄県は南北約400km、東西約1,000kmの広大な海域に広がる。

最北端は硫黄鳥島、最南端は波照間島、最東端は北大東島、最西端は与那国島となる。

最大の島である沖縄本島は、日本の「本土5島」の一つとされ、東は太平洋、西は東シナ海に挟まれている。

本島周辺には伊平屋島伊是名島伊江島粟国島慶良間諸島などが点在し、多くの有人島と無人島が存在する。

伊平屋島
伊平屋島

海岸線は変化に富み、東シナ海側はサンゴ礁が広がる穏やかな浅瀬が多く、太平洋側は荒々しい断崖が続く。

沖縄本島最北端の辺戸岬からは、天気が良ければ鹿児島県の与論島を望むことができる。

辺戸岬 沖縄本島北端部
辺戸岬 沖縄本島北端部

沖縄本島の西海岸には、美しい砂浜と透き通った海が広がり、万座毛真栄田岬残波岬などの景勝地が連なる。

万座毛
万座毛
残波岬と残波岬灯台
残波岬と残波岬灯台

一方、本島南西端には喜屋武岬(きゃんみさき)があり、沖縄戦の激戦地としても知られる。

大分県の地理・地勢・地図。半島、湾、岬、山河の名前など
喜屋武岬

最南端を東に回り、本島東側には、知念岬中城湾勝連半島(与勝半島)金城湾が続く。

知念半島と中城湾
知念半島と中城湾

金城湾と東シナ海側の名護湾の間に恩納岳がそびえる。

金城湾の北東、恩納岳の東には何かと話題の辺野古(名護市)があり、その脇に大浦湾、さらに北東に平良湾と続く。

辺野古(画面中央左より)と大浦湾(画面中央部)
辺野古(画面中央左より)と大浦湾(画面中央部)

沖縄県の山と地形

沖縄県は比較的平坦な地形が多く、高い山はほとんど存在しない。

沖縄本島の最高峰は北部の与那覇岳(標高503m)で、県全体の最高峰は石垣島にある於茂登岳(標高526m)である。

 

本島北部には森林が広がり、「やんばるの森」として知られる自然が残されている。

ここには、日本固有種のヤンバルクイナやノグチゲラが生息し、2021年に世界自然遺産に登録された。

やんばるの森(国頭村)
やんばるの森(国頭村)

 

また、本島の中部には八重岳(標高453m)があり、春には日本一早咲きの桜が見られる。

一方、本島南部は標高の低い丘陵地帯が広がり、平坦な地形が多いため都市開発が進んでいる。

南部には、沖縄市宜野湾市那覇市豊見城市糸満市など市が集中する。

那覇市(なうら橋付近)
那覇市(なうら橋付近)

石垣島の於茂登岳周辺や西表島の山岳地帯では、熱帯雨林が広がり、国内では珍しいジャングルのような環境が見られる。

 

沖縄県の河川と水資源

沖縄県は、日本で唯一「一級河川を持たない都道府県」である。

これは、他県と隣接していないこと、地形が島嶼(とうしょ)であること、さらに本島が細長く短い河川しか形成されないためである。

 

沖縄県の河川は比較的短く、流域面積も狭い。

そのため、降水量が多いにもかかわらず、すぐに海へと流れ出てしまう。

これにより、沖縄県は慢性的な水不足に悩まされることが多く、ダムや地下ダムの建設が進められてきた。

 

本島最大の流域を持つ川は比謝川(ひじゃがわ)で、沖縄市に発し沖縄本島中部を流れ、嘉手納町読谷村の境界を河口として東シナ海に注ぐ。

この川は流域の水資源として利用され、周辺にはマングローブが広がる。

因みに、沖縄市は栃木市、山梨市と共に、「県と同名市でありながら県庁所在地でない市」である。

比謝川(嘉手納町)
比謝川(嘉手納町)

 

本島北部の名護市には、沖縄本島最大の湿地帯である「大湿帯(オーシッタイ)」を源とする源河川(げんかがわ)がある。

この川は生態系が豊かで、汽水域では様々な水生生物が生息している。

また、本島南部では、国場川(こくばがわ)が那覇市を流れ、市街地の水源として活用されている。

瀬長島(那覇市)
瀬長島(那覇市)

まとめ

ここまで沖縄県の地理・地形について紹介してきた。

沖縄県は、広大な海域に点在する島々からなり、独特な地形と気候を持つ。

沖縄本島は細長い形状をしており、北部は森林に覆われた山岳地帯、中部から南部にかけては都市化が進んだ平野部が広がる。

一方、沖縄本島以外の離島には石垣島や西表島のような熱帯性のジャングルが広がる島も存在する。

また、沖縄県は日本で唯一一級河川を持たない県であり、水資源の確保が課題となっている。

河川の流れは短く急であり、降水量が多いにもかかわらず地下水の涵養が難しいため、ダムや地下ダムの活用が不可欠となっている。

このように、沖縄県は日本の他の地域とは全く異なる地形・地理的特徴を持っており、そのユニークな環境が独自の文化や歴史を育んできたといえる

沖縄県の地理、地形、地図。位置や半島、湾や島の名前など
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