宮崎県の観光地、名所、穴場: 高千穂で神話を歩き、青島で南国に酔う。クルスの海に願いを託し、鵜戸神宮で未来を変えよう。
宮崎県は、日本列島の中でも異彩を放つ文化と自然が交錯する地である。
観光地・名所・名刹・百選に数えられる数々のスポットは、どれも一見の価値がある。
特別史跡である西都原古墳群や、青島亜熱帯性植物群落や都井岬ソテツ自生地、内海のヤッコソウ発生地などの特別天然記念物を有する宮崎県の観光名所についての解説と地図を掲載。
宮崎県の観光地、名所、穴場: 高千穂で神話を歩き、青島で南国に酔う。クルスの海に願いを託し、鵜戸神宮で未来を変えよう。

宮崎の自然──特別天然記念物が語る太古の気配
宮崎県には、国の特別天然記念物に指定された自然環境が複数ある。
いずれも希少性が高く、日本全国でも類を見ない存在だ。
まず挙げられるのが、青島亜熱帯性植物群落である。
宮崎市にある青島には、ビロウ樹やアコウなど、南国特有の植物が自然に繁茂している。
温暖な気候が育んだこの植生は、まさに亜熱帯の縮図といってよい。

さらに、串間市の都井岬には、亜熱帯性低木であるソテツの大規模な自生地が広がっている。
南国を思わせる風景の中に、独特の生命力を感じることができる。

宮崎市内の内海地区には、寄生植物であるヤッコソウの発生地があり、こちらも特別天然記念物に指定されている。
複雑な生態系の一端を垣間見ることができる、非常に珍しい場所である。
これらの自然に加えて、国指定の名勝に選ばれているのが、高千穂峡(または五ヶ瀬川峡谷)だ。
切り立った柱状節理の断崖に沿って、透き通った水が流れるその姿は、まるで神話の世界を思わせる。
真名井の滝はこの渓谷内にあり、宮崎を象徴する風景として多くの人々を魅了している。

同じく名勝に選ばれているのが、日南市の鵜戸神宮。
三大下り宮のひとつであり、断崖絶壁に建つ朱塗りの社殿が海の青に映える姿は実に美しい。
参道を下りながら参拝するという珍しい形態が、信仰と観光の両面から注目されている。

尾鈴山瀑布群や比叡山・矢筈岳もまた、国の名勝に含まれている。
いずれも自然の厳しさと美しさが交錯する場所であり、山歩きや滝巡りを楽しみたい人には格好の舞台である。
宮崎県が誇る「百選」とは?
宮崎県では、日本の渚百選に日南海岸と小倉ヶ浜が選出されている。
日南海岸はリアス式の変化に富んだ地形と、青く広がる海とのコントラストが印象的であり、ドライブコースとしても人気が高い。
小倉ヶ浜は延長4kmの白砂青松の浜辺で、サーフィンや海水浴を楽しむ人々でにぎわっている。

滝百選では、都城市の関之尾滝、延岡市の行縢の滝、高千穂町の真名井の滝、都農町の矢研の滝が名を連ねている。
それぞれが異なる地形と水量を持ち、多様な滝の魅力を味わうことができる。
とりわけ関之尾滝は、幅が広く水のカーテンのように流れる姿が印象的で、滝壺に立ちこめる水しぶきが心地よい。


城郭に目を向けると、飫肥城が百名城に数えられている。
日南市にあるこの城は、伊東氏が藩政を敷いた飫肥藩の中心として栄えた歴史を持つ。
城下町の風情も色濃く残り、石垣や武家屋敷通りは散策するのにうってつけだ。

また、続百名城としては延岡城と佐土原城の2つが挙げられる。
延岡城は、天守台跡の石垣が整備され、市民公園としても活用されている。

一方、佐土原城は、かつて伊東氏の支城であり、現在は歴史資料館が設置されている。

さらに、都城市の母智丘・関之尾県立自然公園は、さくら名所百選に選ばれている。
春には「母智丘の桜」が一面に咲き誇り、関之尾滝と合わせて訪れると、自然と歴史を一度に楽しめるスポットとなっている。
宮崎県の名刹と名所を訪ねる旅
宮崎県には、単なる観光地という枠を超えた「祈り」と「伝説」の地が数多く存在する。
名刹と呼ばれる古社寺には、古来より受け継がれた信仰と、その土地の物語が息づいている。
その代表格が高千穂町にある高千穂神社だ。
日本神話にも登場するこの地は、天孫降臨の舞台ともされ、夜神楽や神話にちなんだ伝承が残されている。

また、日南市にある鵜戸神宮は、先にも触れたように崖下り参拝という独特のスタイルが特徴的で、子授け・安産祈願としても信仰を集めている。
延岡市の今山大師は、四国八十八か所を模した霊場巡りができる場所であり、厳かな雰囲気の中で静かに手を合わせることができる。
自然の造形美として名高いのが、日向市のクルスの海と馬ヶ背だ。
クルスの海は、海岸線の岩場が偶然にも十字の形に見える場所で、願いが叶うともいわれるパワースポットである。
近くには断崖絶壁の馬ヶ背があり、柱状節理の地形が大きな見どころとなっている。

志布志湾に突き出た都井岬では、御崎馬と呼ばれる野生馬が群れをなして暮らしている。
人と野生動物との自然な共存がここでは日常の風景となっている。

霧島連山とえびの高原の自然を味わう
宮崎県の西部、鹿児島県との県境に広がるのが霧島山系である。
その中に位置するえびの高原は、標高1200mの高地に広がる緑豊かな場所だ。

この一帯は、霧島錦江湾国立公園に指定されており、霧島連山を背景にした絶景が広がる。
韓国岳や大浪池など、登山者にも人気の高い火山群が連なり、季節ごとに異なる景観を見せてくれる。
春の新緑、夏の深い森、秋の紅葉、冬の霧氷と、一年を通じて自然の変化を楽しむことができる。
えびの高原には、温泉や宿泊施設も整っており、ゆったりと滞在しながら自然に身を委ねる贅沢な時間を過ごすことも可能だ。
貴重な動植物の観察にも適しており、環境学習の場としても注目されている。
まとめ
宮崎県には、特別天然記念物や日本百景、百選に選ばれた観光地が各地に点在しており、自然・歴史・信仰が調和した旅を楽しめる場所である。
旅行の際は、それぞれの地域の背景や文化を押さえて訪れ、心を打つ風景と出会い、記憶に残る時間を味わえるだろう。

English page(Miyazaki prefecture. Map of sightseeing spots)
(外部リンク)宮崎県のホームページ
(外部リンク)みやざき観光情報「旬ナビ」
















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