岡山県の観光地・名所と地図:名瀑「神庭の滝」、後楽園や閑谷学校の史跡、美作三湯など岡山の名所と定番と穴場

 

岡山県の観光地・名所と地図:名瀑「神庭の滝」、後楽園や閑谷学校の史跡、美作三湯など岡山の名所と定番と穴場

中国山地と瀬戸内海に挟まれた岡山県は、海と山の豊かな自然に育まれ、長い歴史とともに独自の文化を育んできた。

日本三名園のひとつである後楽園や、数々の城跡、渓谷美が堪能できる奥津渓、そして瀬戸内海に浮かぶ白石島や沙美海岸といった渚に至るまで、多彩な観光地が点在している。

国の名勝、百選、名城、名刹などの選出地をはじめ、文化財や自然景観、温泉まで、岡山県が誇る観光資源を地図と共に解説する。

 

岡山県の観光地・名所と地図:名瀑「神庭の滝」、後楽園や閑谷学校の史跡、美作三湯など岡山の名所と定番と穴場

岡山県の観光地・名所一覧・地図
岡山県の観光地・名所一覧・地図

特別天然記念物・国指定の名勝・三大〇〇・日本百景

岡山県の地勢は県北部の山間部から南部の海岸線まで変化に富み、県内各地には国指定の名勝が散在している。

北部の苫田郡鏡野町にある奥津渓や、井原市美星町小田郡矢掛町にまたがる鬼ケ嶽は、秋の紅葉が美しい渓谷として名高い。

奥津渓(苫田郡鏡野町)
奥津渓(苫田郡鏡野町)

笠岡市白石島は、県内三大海水浴場のひとつとして、夏のマリンレジャー客で賑わう。

下津井鷲羽山高島応神山などの山岳・海岸景観も、風光明媚なスポットとして国の名勝に指定されている。

なかでも総社市吉備中央町をまたいで広がる豪渓や、真庭市神庭瀑高梁市磐窟谷などは、滝や奇岩が織りなす迫力ある景観で知られる。

豪渓
豪渓

神庭の滝は日本百景、名勝、日本の滝百選の三重指定を受ける県内随一の名瀑である。

倉敷市下津井海岸は古くから海運の要所として栄え、日本百景にも選ばれている。

 

また、岡山後楽園は江戸時代に池田綱政によって築庭された回遊式大名庭園で、日本三名園の一つであり、国の特別名勝に指定されている。

広々とした芝生と曲水、築山、池が巧みに配置され、四季折々の自然と調和した景観が今も訪れる者を魅了している。

岡山城 旭川 (左が後楽園)
岡山城 旭川 (左が後楽園)

備前市に所在する「旧閑谷学校 附 椿山石門津田永忠宅跡および黄葉亭」は、庶民教育の先駆けとして岡山藩主池田光政によって設立された旧制学校の遺構である。

旧閑谷学校
旧閑谷学校

この史跡群は、特別史跡に指定されており、江戸時代の教育と生活を伝える貴重な文化財として保護されている。

百選に選ばれた自然と文化の象徴

岡山県には、日本の自然・歴史を象徴する百選への選出地が各分野にわたって存在する。

真庭市の神庭の滝は、高さ110メートルの大落差を持つ迫力ある滝で、大小の滝が何段にもわたって流れ落ちる芸術的な姿は日本の滝百選にふさわしい風格を持つ。

神庭瀑(真庭市)
神庭瀑(真庭市)

滝の周辺はサルの群生地としても知られ、自然との共存が感じられる場所となっている。

 

瀬戸内海沿いには、美しい砂浜が広がり、渚百選に選ばれた沙美海岸(倉敷市)と渋川海岸(玉野市)がある。

沙美海岸は日本最古の海水浴場のひとつともされ、穏やかな波と広がる白砂が魅力で、かつては文人墨客がしばしば訪れた海浜である。

渋川海岸は、玉野市から瀬戸大橋を望む絶景スポットとしても名高い。

 

春になると、桜名所百選に名を連ねる津山市鶴山公園が花見客で賑わう。

津山城の本丸跡に広がる園内には、約1000本の桜が咲き誇り、城跡と桜の対比が歴史と自然の融合を感じさせる。

 

岡山県内には、日本の100名城として選ばれた城郭も多い。

津山城のほか、高梁市備中松山城、岡山市の岡山城、総社市の鬼ノ城がそれに該当する。

鬼ノ城(総杜市)
鬼ノ城(総杜市)

備中松山城は、標高430メートルの臥牛山山頂に位置する現存天守の山城で、雲海に浮かぶ幻想的な姿から「天空の城」とも称される。

備中松山城(岡山県高梁市)
備中松山城(岡山県高梁市)

続日本100名城には岡山市の備中高松城が選ばれ、水攻めで有名な戦国時代の遺構として史跡が整備されている。

備中高松城(岡山市)
備中高松城(岡山市)

古社寺と温泉、近代観光資源の融合

歴史的建造物とともに、岡山県は温泉資源も豊かである。

とりわけ、真庭市の湯原温泉、美作市の湯郷温泉、鏡野町の奥津温泉は「美作三湯」として知られ、いずれも自然と調和した風情のある温泉地である。

湯原温泉にはダム湖を望む露天風呂があり、四季折々の風景が湯浴みとともに楽しめる。

湯原温泉
湯原温泉

奥津温泉は古くから湯治場として親しまれ、街道沿いの風情が今も残る。

奥津温泉
奥津温泉

作州武蔵温泉はスポーツ施設と隣接しており、ゴルフやレジャー施設との相性がよく、観光とアクティビティを組み合わせた楽しみ方が可能である。

温泉を目的とする旅行だけでなく、多目的に過ごす観光客にとっても人気が高まっている。

 

古社寺としては、岡山市の吉備津神社、備前市の閑谷神社などが著名である。

特に吉備津神社は、全国でも珍しい比翼入母屋造の本殿と拝殿を有し、桃太郎伝説の起源ともいわれる吉備津彦命を祀っている。

その他にも備前市の宝福寺は雪舟が修行した寺として知られ、芸術と仏教が融合した文化的価値が高い。

吉備津神社
吉備津神社

さらに、岡山県の近代観光資源の象徴ともいえるのが、岡山市と香川県坂出市を結ぶ瀬戸大橋である。

海と島を貫く長大な橋梁は、自動車道路と鉄道を兼ね備えた世界最大級の複合橋であり、建築的・土木的価値に加えて、瀬戸内海の多島美と調和する圧巻の景観を生み出している。

下津井鷲羽山(倉敷市)からの瀬戸大橋
下津井鷲羽山(倉敷市)からの瀬戸大橋

岡山県はその地理的多様性と歴史文化の厚みにより、山から海へ、古から現代へと横断する多彩な観光体験が可能な地域である。

名勝、名城、渚、温泉、社寺とあらゆるジャンルにおいて高い質を誇り、日本を旅する上で見逃せない魅力に満ちている。

岡山県の観光地・名所一覧・地図
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