大阪府は、日本の歴史と現代文化が最も濃厚に交わる土地の一つだ。
古代の墳墓群として世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群、天下人豊臣秀吉ゆかりの大阪城、紅葉の名所として名高い箕面山や箕面滝、そして通天閣やユニバーサル・スタジオ・ジャパンに象徴される現代的観光スポットまで、時代を超えた多様な魅力を誇る。
さらに桜の名所百選に選ばれた大阪城公園や造幣局の桜の通り抜け、特別史跡や国の名勝に指定された庭園や城跡など、文化と自然が織りなす観光地が各地に点在する。
本稿では、大阪府の世界遺産、名勝・百景、百選、名刹や名湯、その他の見どころを網羅的に紹介し、その奥深さを伝える。
大阪府の観光地|古墳・名城・桜名所・温泉まで定番と穴場。世界遺産古墳群・大阪城・名勝百選・名刹名湯。

世界遺産 ― 古代日本を物語る巨大墳墓群
大阪府が誇る世界遺産は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」である。
堺市の仁徳天皇陵古墳を中心とする百舌鳥古墳群と、羽曳野市や藤井寺市に広がる古市古墳群で構成され、5世紀から6世紀に築かれた前方後円墳を中心とする大規模な古墳群だ。
仁徳天皇陵古墳は全長約486メートルに及び、日本最大の前方後円墳として知られる。

その規模はエジプトのピラミッドや秦の始皇帝陵と比較されることもあるが、体積や高さの点で一概に「世界三大墳墓」と称するのは難しい。
しかし、日本古代国家の成立を象徴する遺構としての価値は揺るぎない。
名勝・百景・特別史跡 ― 城と寺跡、自然美が織りなす景観
大阪府には2件の特別史跡がある。
一つは、大阪城である。
安土桃山時代に築城された城で、現在の天守は1931年に建てられた復興天守であるものの、江戸時代初期から後期の櫓などが現存しており特別史跡に指定されている。
尚、築城当時の豊臣秀吉が築いた大阪城の遺構はそのほとんどが埋没しており、現在みられる遺構のほとんどが徳川秀忠によって新築された以降である。

もう一つの特別史跡は百済寺跡である。
枚方市にあった寺跡で、伽藍の金堂、食堂、講堂、塔などの礎石が残っている。
自然景観としては箕面山が国の名勝に指定されている。
箕面山は箕面市にある丘陵性の山で、昆虫や野生動物の宝庫として府内一の生息を誇る。
また、その中に位置する箕面滝は日本百景にも選ばれており、落差33メートルの水流が紅葉と織りなす光景は見事である。
後述の日本滝百選にも選ばれている。

さらに岸和田城の庭園も国の名勝に登録されており、城とともに歴史と景観を楽しめる。
百選 ― 桜・滝・城に見る大阪の風景美
大阪府内の日本滝百選は、上述の箕面の滝の一つである。
日本のさくら名所百選には、TV等でも話題となる造幣局の通り抜け(大阪市)と、大阪城公園(大阪市)が選出されている。
上述の特別史跡である大阪城は、日本の100名城にも選ばれており、そのほかには府の南東の山間にある千早城(千早赤阪村)が選出されている。
千早城は、鎌倉時代後期の築城で、城の四方を崖に囲まれた堅守の城として名を馳せたといわれる山城である。
千早城跡
続日本の100名城には、芥川山城(高槻市)、飯盛城(大東市)、岸和田城(岸和田市)がある。
芥川山城は高槻市の三好山にあった城で、飯盛城は大東市(および四条畷市にまたがる)飯盛山にあった城。
いずれも戦国時代の城で府内では最大級の規模を持つ山城である。
岸和田城は上述の通り庭園が国の名勝に指定されている城で、14世紀~15世紀にかけて築城された。
江戸時代には、岸和田藩の藩庁が置かれた。
現在は昭和29年に再建された連結式望楼型3層の復興天守が鎮座している。

名刹・名湯 ― 聖徳太子の古刹と癒しの湯
大阪府の名刹・古刹といわば四天王寺である。
聖徳太子が建立したと伝えられる日本仏教最古の官寺であり、推古天皇元年(593年)に造立が始まったと『日本書紀』に記されている。
五重塔や金堂が整然と並ぶ伽藍配置は「四天王寺式伽藍配置」として知られ、現在も多くの参拝者を集める。
温泉地としては能勢温泉や犬鳴山温泉などが知られる。
山間に湧く湯は古くから湯治場として利用され、都市近郊にありながら自然の中で癒しを与える存在である。
その他 ― 現代大阪を象徴するランドマーク
大阪の観光は歴史や自然に留まらない。
近代以降の観光地も多彩である。
大阪市港区の海遊館は世界最大級の水族館で、巨大なジンベエザメが泳ぐ大水槽は圧巻だ。
海遊館
通天閣は浪速のシンボルとして庶民文化を象徴し、昭和の香りを色濃く残す。
あべのハルカスは高さ300メートルを誇る日本一の高層ビルとして2014年に全面開業し、大阪の新しいランドマークとなった。
吹田市の万博記念公園には岡本太郎作「太陽の塔」がそびえ、1970年大阪万博の記憶を伝えている。
そして大阪市此花区にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、国内外から年間数百万人が訪れる一大テーマパークであり、現代大阪観光の象徴となっている。

(外部リンク)大阪府のホームページ
(外部リンク)大阪観光局公式サイトOSAKA INFO

















