滋賀県の地理、地図:日本最大の琵琶湖。伊吹山と鈴鹿山脈、比叡山が生んだ戦国の歴史と瀬戸内海と日本海を結ぶ近江の大自然
滋賀県は本州のほぼ中央、近畿地方の東部に位置し、日本最大の湖である琵琶湖を擁する内陸県である。
北は福井県、東は岐阜県、南東は三重県、西は京都府と隣接し、海に面していないが、広大な琵琶湖の存在によって水資源が豊富である。
また、内陸県でありながら、多くの漁港を持つのも滋賀県の特徴だ。
琵琶湖を取り囲むように形成された近江盆地は、県の経済や交通の要所となっている。
山地と平野が入り混じる地形は、自然環境や歴史的背景にも大きく影響を与えている。
本記事では、滋賀県の地形的特徴について、湖、河川、山地、平野に分けて詳しく解説する。
滋賀県の地理、地図:日本最大の琵琶湖。伊吹山と鈴鹿山脈、比叡山が生んだ戦国の歴史と瀬戸内海と日本海を結ぶ近江の大自然。

滋賀県の地形・地勢の全体像
琵琶湖とその周辺地形
滋賀県の地形は、県の面積の約1/6を占める琵琶湖を中心に展開されている。
琵琶湖は約400万年前に誕生したとされ、日本最古の湖でもある。
湖岸は北部では急峻な崖や丘陵が広がる一方、南部では平坦な地形が広がり、古くから人々の生活の場となってきた。
琵琶湖には、多くの湾や半島、岬が形成されている。
琵琶湖の北西部には、桜の名所として知られる「海津大崎」がある。

また、湖北地方には、入り組んだ湖岸が特徴的な「つづら尾崎」がある。
さらに、湖の北部には「竹生島」が浮かび、古来より信仰の対象とされてきた。
琵琶湖の湖岸には湿地や三角州が広がり、生態系の多様性が保たれている。
また、歴史的には水運の要所として重要な役割を果たしてきた。

滋賀県の山地と丘陵地帯
滋賀県の東西南北には多くの山地が連なり、琵琶湖を取り囲むようにして形成されている。
西側には比良山地が広がり、最高峰は標高1,174メートルの蓬莱山である。
冬季にはスキー場が営業し、関西のレジャースポットとしても知られる。
比良山地の南、琵琶湖の南西部で京都府との県境には日本三大霊場の比叡山がそびえ、延暦寺が著名。
比叡山は比良山地や京都府側の丹波高地とは花折断層によって分離されており、別の山塊とされる。

一方、滋賀県の北東部には伊吹山地があり、最高峰の伊吹山は標高1,377メートルを誇り、県内最高峰となっている。
冬には日本海からの季節風によって大量の雪が降り、豪雪地帯としても有名である。

滋賀県と三重県の境には鈴鹿山脈が連なり、御在所山や霊仙山などの標高1,000メートルを超える山々がそびえる。
鈴鹿山脈は古くから東海道の難所として知られ、関ヶ原の戦いの舞台となった地形的要因の一つでもある。
さらに、滋賀県と福井県の境界には野坂山地が広がり、標高は比較的低めながらも険しい山並みが続いている。
これらの山岳地帯は、琵琶湖に流れ込む河川の水源となっており、豊かな自然環境を生み出している。
滋賀県の河川と水系
滋賀県は内陸県でありながら、琵琶湖という巨大な湖を有するため、豊富な水資源を持つ。
県内には多くの河川が流れ込み、琵琶湖を経由して瀬田川(宇治川、淀川)へとつながっている。
琵琶湖に流れ込む主な河川には、安曇川や野洲川、姉川、愛知川などがある。
安曇川は比良山地を源流とし、高島市を貫流して琵琶湖へと注ぐ。
流域には広大な水田地帯が広がり、農業用水としても重要な役割を果たしている。

野洲川は鈴鹿山脈の御在所岳に源を持ち、甲賀市や野洲市を経て琵琶湖に流れ込む。
河口付近には琵琶湖大橋がかかり、湖西地域と湖東地域を結ぶ交通の要所となっている。

姉川は伊吹山地を源流とし、湖北地域を流れる。
戦国時代には織田信長と浅井長政が戦った「姉川の戦い」の舞台となったことで知られる。
愛知川は鈴鹿山脈の東部から流れ出し、かつての「近江商人」の交易路としても利用された歴史を持つ。
琵琶湖に流れ込むこれらの河川は、県内の農業や工業、生活用水を支える重要な水源である。
滋賀県の平野と盆地
滋賀県の地形の中心には、琵琶湖を取り囲む近江盆地が広がっている。
近江盆地は、湖の周囲に形成された低地と緩やかな丘陵地帯からなり、東西を比良山地や鈴鹿山脈、伊吹山地に囲まれている。
河川の浸食や堆積作用によって形成され、各地域ごとに異なる地形的特徴を持つ。
湖南地域:琵琶湖と京都をつなぐ扇状地が広がる。
近江盆地の南部に広がる湖南地域は、京都・大阪に近接し、古くから交通の要衝として発展してきた。
琵琶湖の南端には、瀬田川が唯一の流出河川として流れ、下流で宇治川、淀川と名を変え大阪湾へと注ぐ。
湖南地域の東側には鈴鹿山脈がそびえ、そこから流れ出る野洲川や日野川が扇状地を形成している。

これらの河川が運んできた土砂が沖積平野を作り、農業地帯としての基盤を築いた。
草津市や守山市、栗東市などはこの平野上に発展し、交通の要所としての役割を担っている。
湖東地域:鈴鹿山脈の裾野が育んだ豊かな平地部
琵琶湖の東側に位置する湖東地域は、鈴鹿山脈と伊吹山地の麓に広がる平野が特徴的だ。
東側から流れ込む愛知川や犬上川、宇曽川などが肥沃な土壌を運び、広大な農地を形成した。
かつては近江商人が栄えた地域であり、現在でも伝統的な町並みが残る。
米原市や東近江市、彦根市などの都市がこの平野に広がり、琵琶湖岸にはなだらかな砂浜が続いている。

湖西地域:比良山地と琵琶湖が生み出した狭隘な平地。
湖西地域は、琵琶湖と比良山地の間に挟まれた細長い平地が広がる。
比良山地が湖岸近くまで迫るため平野部は比較的狭いが、琵琶湖の影響を受けた温暖な気候と水資源の豊富さから、古くから人々の生活が営まれてきた。
安曇川などの河川が流れ込み、その周辺では水田地帯が広がっている。
高島市周辺では、湖岸に沿って砂州や湿地が点在し、独特の地形が見られる。
近江盆地の地形的特徴
近江盆地は、琵琶湖の水位変動や河川の浸食・堆積作用によって形成され、長い年月をかけて変化してきた。
湖南・湖東・湖西の各地域はそれぞれ異なる地形を持ちながらも、琵琶湖を中心に一体となり、滋賀県の経済や文化の基盤を築いている。
琵琶湖の周囲に広がる平野は、農業や都市の発展に適した環境を提供し、現在も滋賀県の重要な地理的要素となっている。
まとめ
滋賀県は、日本最大の湖・琵琶湖を中心に、多くの山地や平野が広がる地形的に多様な県である。
北部には豪雪地帯の伊吹山地、東西には鈴鹿山脈と比良山地がそびえ、それらの山々から琵琶湖へと流れ込む多数の河川が豊かな水資源をもたらしている。
湖岸沿いには都市が発展し、歴史的にも交通の要所として機能してきた。
海のない県でありながら、水運の拠点としての役割を果たし、現在でも琵琶湖を活かした観光や産業が発展している。
このように、滋賀県の地形は日本の中でも特徴的であり、自然と人々の暮らしが密接に関わり合っていることがわかる
関連項目:近畿地方の地理・地形・地図

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