太平洋に南北に延びる全長550㎞の島々。東京都に所属し、伊豆半島の南東に一番北側の大島。そこから利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島の有人島とその周辺の無人島、ベヨネース列岩や諸島最南端の孀婦岩などの岩礁や岩が連なっている。
伊豆諸島全体の北側半分、伊豆諸島最南端の有人島である青ヶ島までをさらに2分し、その1とその2に分けて、各島の地理や観光地、特産についての地図と解説を掲載している。
その1では、上記有人島のうち、伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島を掲載している。
伊豆諸島(その1)。太平洋に南北に延びる東京都島嶼部。地理や観光スポットと地図
伊豆諸島の地理と有人島。
伊豆諸島は、最北端の大島が伊豆半島の東に位置し、房総半島の南端である野島崎から西南西に50㎞の場所にある。
そこからやや南南西方向に利島、新島、神津島が順に並んでおり、野島崎からの距離は新島が80㎞、神津島が100㎞の位置となる。
三宅島は野島崎からの距離は約95㎞、三宅島の南南東にある御蔵島は野島崎から115㎞、御蔵島から次の八丈島までは約85㎞の距離がある。
野島崎からほぼ南200㎞の場所に八丈島、その延長線上に青ヶ島があり、青ヶ島は野島崎から270㎞の場所に位置している。
ちなみに、伊豆諸島自体は青ヶ島以南にも距離を隔ててやいるものの(南北にほぼ一列に並んでいる)岩礁や岩、無人島があり、全体では大島から最南端の孀婦岩まで、約550㎞である。
大島 ~島々について~
伊豆大島は伊豆諸島最大の島で、本州に最も近く、伊豆半島の南東25㎞に位置している。
ツバキが有名で、ツバキが作られる椿油が特産品である。
日本にある桜の基本野生種のひとつであるオオシマザクラの発祥の地で、特別天然記念物の「大島のサクラ株」がある。
伊豆・小笠原弧に属する火山島で、島のほぼ中央にカルデラ、カルデラ内に中央火口丘である三原山がある。
1421年、1552年、1684~1690年、1777~1792年に断続的に噴火しており、直近では1986~1987年に噴火している。
上述の三原山には「お鉢めぐり」と呼ばれる火口を回る遊歩道がある。
また、三原山の中腹には三原山温泉や、「裏砂漠」(奥山砂漠とも)と呼ばれる日本唯一の砂漠がある。
火山の影響で黒い砂利に覆われ植生が少なく、「砂漠」が地名として用いられている日本唯一の場所だが、降水量や気候は砂漠の規定に沿っておらず、地理学的、気候的には厳密には「砂漠」ではない。
島北部の日の出のみられる「日の出浜」や元町港近くの「弘法浜」など海水浴場が多数ある。
北東部には、泉津の切通しと呼ばれる奇観がある。
岩盤をくりぬき石段とした切通し状の狭い道で、両側に迫る岩盤に巨木の根が這う特異な景観を生み出している。
島の南西部の幹線道路沿いに、火山噴出物によってはっきりと層の見える地層断面が露出した「地層大切断面」がある。
利島 ~島々について~
利島は、伊豆大島の南西約27㎞にある円錐形の火山島で、伊豆諸島の有人島としては2番目に小さい。
島のほぼ中央に宮塚山があり、島全体を椿などの照葉樹林が覆い、特産品も椿油である。
島の周囲を200mほどの断崖に囲まれており、特に島の南側は海に断崖が落ちており、港などが作られない地形を有する。
島の玄関である利島港も島の北側にある集落もそちらに集中している。
新島 ~島々について~
新島は、房総半島野島崎から80㎞南西にあり、南北に長い形をしている。
サーフィンやイルカウォッチングなどを主体とした観光業と漁業が盛ん。
新島に多数ある海岸を利用したサーフィンは、特に島の東岸に位置する羽伏浦海岸が有名で、白砂の浜が7㎞を続き、ワールドクラスのポイントとされる。
国内のプロ大会はもちろん、世界大会やツアーにも使用される。
羽伏浦海岸の南には、白ママ断崖と呼ばれる断崖がある。場所によっては高さ250mもある絶壁で、火山灰の層が侵食され露出した白い断崖が7㎞程続いている。
そのほかのスポットとしては、島の西部にある湯の浜露天風呂、標高235mの向山にある「石山展望台」、間々下海岸、本村前浜海岸、黒根海岸などの海水浴場など。
特産品としては、島周辺を流れる黒潮の影響で多種の魚介が取れ、それらを利用したくさやが特産品である。
また、新島とイタリアのリパリ島でしか取れない流紋岩に似た石「抗火石」がある。
軽石の様に水にも浮き、柔らかく加工しやすい。また、耐火素材である建材として用いられる。
島内にあるモヤイ像や、東京都渋谷区の渋谷駅前にあるモヤイ像(新島から渋谷区に贈られた)などの素材である。
式根島 ~島々について~
式根島は新島の南西2.5km(最近部)の位置にあり、伊豆諸島の有人島で一番小さい。(ただし、次に小さい利島よりも人口は多い。)
島の北東部に野伏港があり、港周辺以外はほぼ絶壁となっている。
島の南部に温泉があり、地鉈温泉や、地鉈温泉から湯を引いた「松が下雅湯」、式根島温泉「憩いの家」、足付温泉などがある。
その他、海水浴場も多数あり、シュノーケリングやダイビングなどのマリンスポーツ、入り組んだ海岸線での釣りなどのレジャーが盛んである。
神津島 ~島々について~
神津島は房総半島野島崎から南西に100㎞の位置にあり、島の西部にある神津島港付近に民家が集中している。
式根島や他の伊豆諸島と同じく、ダイビングや釣りなどのレジャーが盛んで、赤崎海水浴場や前浜海水浴場などのビーチもある。
また、島最高峰の天上山へのトレッキングを目当てとする観光客も多い。
東日本で一番光害が少ないとされており、天体観測にも適地とされている。
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