静岡県の観光地・名所と地図:富士山、韮山反射炉など世界遺産に、温泉郷、白糸の滝や下馬桜を擁する静岡県の定番と穴場。
富士山を仰ぎ、太平洋に面し、伊豆の海岸線と山々を抱える静岡県。
その風景は、ただ美しいだけでなく、信仰、歴史、文化、産業といった日本人の暮らしと精神が染み込んだ、重層的な魅力を放っている。
世界遺産に登録された山と炉、数多くの名勝や特別天然記念物、百景・百選に選ばれた景勝地、そして温泉や古社寺にいたるまで、静岡県はまさに“日本の縮図”ともいえる存在だ。
ここでは、そのすべてを地図とともに辿る旅へと誘いたい。
静岡県の観光地・名所と地図:富士山、韮山反射炉など世界遺産に、温泉郷、白糸の滝や下馬桜を擁する静岡県の定番と穴場。

世界遺産:霊峰と産業革命の記憶
静岡県には二つの世界遺産がある。
一つは言わずと知れた日本の象徴「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」である。
富士山そのものに加え、その文化的背景を支える構成資産として、白糸の滝、三保の松原、そして浅間大社をはじめとする寺社仏閣が登録されている。

とくに三保の松原から仰ぎ見る富士の姿は、日本画や和歌に繰り返し登場し、古来より“芸術の源泉”として愛されてきた。
もう一つの世界遺産は「明治日本の産業革命遺産」に含まれる「韮山反射炉」である。
1857年に江川英龍の指導のもと完成したこの反射炉は、鉄を溶かし、大砲を鋳造するために用いられた施設であり、実際に稼働した反射炉としては世界に唯一現存するものだ。
近代日本の出発点に触れられる貴重な産業遺産である。

特別天然記念物・名勝・日本百景:自然の造形と人の眼差し
静岡県の自然には、国によってその美しさが認められた名勝が点在している。
たとえば白糸の滝と音止めの滝は、富士山の伏流水が幾筋もの絹のような流れとなって垂れ落ちる名瀑であり、日本の滝百選にも数えられる。
三保の松原は日本三大松原のひとつにして、世界遺産としても登録された景勝地。
広がる松林と駿河湾、その奥にそびえる富士山の姿は、誰もが知る“日本の原風景”だ。
狩宿の下馬ザクラは特別天然記念物に指定される桜で、源頼朝が馬を下りたと伝えられる伝承を持ち、日本五大桜の一つにも挙げられる。

これに加え、富士山本宮浅間大社の境内に湧き出る「湧玉池」もまた、特別天然記念物に指定されており、富士山の伏流水が毎日30万トン湧出する神聖な泉として知られている。

日本百景としては、熱海温泉、伊東温泉、一碧湖、千本松原、富士川、富士駿州裾野などが挙げられる。


一碧湖は火山噴火によって生まれたカルデラ湖であり、与謝野晶子・鉄幹夫妻が短歌を詠んだ文学的背景も持つ。

千本松原は駿河湾沿いに約10kmにわたって続く防風林で、現在も約30万本の松が並ぶ壮観な景色が広がっている。
また、富士川は日本三大急流の一つ、柿田川は日本三大清流の一つに数えられ、それぞれ異なる水の表情と力強さを持つ名川である。
文化遺産としては、登呂遺跡、新居関所跡、遠江国分寺跡が国の特別史跡に指定されている。
特別史跡については・・・日本の特別史跡一覧 特別史跡の地図と時代・都道府県一覧と解説
静岡県の百選(渚、名城、滝、さくら名所)
静岡県には「百選」に選ばれた名所が数多く存在する。
滝百選には、白糸の滝・音止めの滝のほか、南アルプスを水源とする「安倍の大滝」、伊豆を代表する景勝地「浄蓮の滝」が選出されている。
とりわけ浄蓮の滝は石川さゆりの「天城越え」でも知られ、観光と文学の交差点となっている。

渚百選には、南伊豆の弓ヶ浜、そして沼津市の牛臥・島郷・志下海岸が名を連ねる。
弓ヶ浜は美しい弓状の白砂が広がるビーチであり、海水浴だけでなく、夜には満天の星空が望める静けさもまた魅力だ。
城跡については、日本100名城に山中城(障子堀が見どころ)、駿府城(徳川家康ゆかり)、掛川城(木造天守再建)が指定されている。


続日本100名城としては、興国寺城(北条早雲出生の地)、諏訪原城、高天神城、浜松城が登録されており、各地に戦国と江戸の記憶が眠っている。

桜の名所では、伊東市の「さくらの里」と小山町の「冨士霊園」が、日本さくら名所百選に選ばれている。
さくらの里では約40種1500本の桜が季節をずらして咲き続け、長く花見を楽しむことができる。
冨士霊園は、墓地でありながら霊峰富士を背景に桜が咲き誇る光景が圧巻で、多くの人が訪れる場所だ。
温泉地・歴史的建築・社寺
静岡といえば温泉、なかでも熱海温泉は東海道を代表する湯の町として知られ、古くから政治家や文人に愛されてきた。
熱海に続く伊東温泉もまた歴史深く、古き良き温泉文化が今も息づいている。

どちらも宿泊施設や日帰り温泉が充実し、観光と静養が両立できる場である。
古代からの歴史に触れるなら、弥生時代の環濠集落跡である登呂遺跡が見逃せない。
ここでは実際の住居や水田跡が再現され、日本最古級の農耕文化に触れることができる。

また、新居関所跡は江戸幕府が設けた関所の中で唯一、現存する関所建物が残る貴重な史跡である。

富士と海と文化が織りなす静岡の魅力
静岡県の観光地には、風景そのものが語る物語がある。
富士山を起点とする自然信仰、伊豆半島に点在する温泉と文学の痕跡、そして明治維新の産業革命が生んだ遺産までもが、県内各地に静かに、しかし確かに根づいている。

これらの景勝地や史跡を地図で辿る旅は、単なる観光を超えて、日本人の精神史を身体で感じる時間へと変わっていく。
百選に選ばれた滝や渚に立ち、春の桜や松原越しに見る富士の姿は、今を生きる我々にも何かを語りかけてくるに違いない。
静岡は、風景が文化そのものであり、訪れるすべての人に新たな発見をもたらしてくれる場所である。

(外部リンク)静岡県のホームページ
(外部リンク)静岡県の公式観光サイト「ハローナビしずおか」

















