徳島県の観光地。定番と穴場|鳴門の渦潮・祖谷渓・大歩危・霊山寺。日本百景と百選の名所、温泉と名刹を巡る阿波の風景

 

四国の東端に位置する徳島県は、太平洋と吉野川に抱かれた自然の地形が生み出す壮大な景観と、古代から続く文化の薫りが交錯する土地である。

世界に名を轟かせる鳴門の渦潮や、断崖絶壁が連なる祖谷渓、そして藍染文化が息づく脇町の町並みなど、徳島には日本の原風景が今なお残る。

さらに、四国八十八ヶ所霊場の発心の寺・霊山寺をはじめ、古社寺や温泉地も多く、精神と身体の両面で癒やしをもたらす旅ができる。

この記事では、徳島県の名所や百選、名刹、温泉などを地図とともに網羅し、四国の東の玄関口が誇る観光の魅力を余すところなく紹介する。

 

徳島県の観光地。定番と穴場|鳴門の渦潮・祖谷渓・大歩危・霊山寺。日本百景と百選の名所、温泉と名刹を巡る阿波の風景

徳島県の観光地・名所一覧・地図
徳島県の観光地・名所一覧・地図

 

名勝・日本百景・特別天然記念物──自然が刻んだ四国の奇景

徳島県の自然を象徴するのが、2億年の歳月をかけて形成された大歩危・小歩危の渓谷だ。

吉野川の激流が削り取った岩肌が連なる絶景は、四季折々に色を変え、特に秋の紅葉期には渓谷全体が黄金色に染まる。

大歩危小歩危(三好市)
大歩危小歩危(三好市)

ラフティングの名所としても知られ、世界大会が開催されるほどの人気を誇る。

国の名勝に指定されると同時に、日本百景の一つにも数えられている。

 

同じく日本百景に選ばれている鳴門の渦潮は、世界三大潮流の一つに数えられる自然現象だ。

鳴門海峡で起きる渦は直径20メートルにも達することがあり、観潮船から間近に見る迫力は圧巻である。

大鳴門橋の上にある「渦の道」では、ガラス床から海面を見下ろすことができ、自然の力強さを肌で感じられる。

鳴門の渦潮
鳴門の渦潮

さらに日本百景には、落差58メートルを誇る轟の滝(正式には王余魚の滝)と、深い山間に広がる祖谷渓が選ばれている。

轟の滝(海陽町)
轟の滝(海陽町)

祖谷渓は日本三大秘境の一つとして知られ、切り立った断崖にへばりつくような集落と、かずら橋に代表される原始の風景が人々を惹きつけてやまない。

 

特別天然記念物には、樹齢1000年以上とされる加茂の大クスがある。

高さ25メートル、幹回り20メートルを超える巨木で、今も旺盛な樹勢を保ち続ける。

神々しさを感じさせるその姿は、まさに「生きる文化財」と呼ぶにふさわしい。

 

また、江戸時代の風情を残す「脇町・うだつの町並み」も見逃せない。

藍商人の屋敷が軒を連ね、白壁と格子が続く通りには、かつての商都としての繁栄が今も息づく。

うだつが上がる町並みは重要伝統的建造物群保存地区に指定され、阿波の文化を象徴する観光地である。

脇町・うだつの町並み(美馬市)
脇町・うだつの町並み(美馬市)

百選に輝く徳島の名所──滝・渚・桜・城に見る四国の風景

徳島県は、数々の「日本の百選」に名を連ねる観光地の宝庫でもある。

まず滝百選には、神山町雨乞の滝那賀町大釜の滝、そして海陽町轟九十九滝が選ばれている。

雨乞の滝はその名の通り、古くから雨乞いの祈りが行われた神聖な滝で、落差約45メートルの清流が美しい。

雨乞いの滝(神山町)
雨乞いの滝(神山町)

大釜の滝は那賀川上流に位置し、巨大な岩盤に流れ落ちる水流が「水の神秘」を感じさせる。

轟九十九滝は四国一の大滝・轟の滝を中心に大小無数の滝が連なり、まるで水の階段のような光景を生み出している。

二重滝:轟九十九滝
二重滝:轟九十九滝

渚百選には、大浜海岸北の脇海岸が選定されている。

大浜海岸はアカウミガメの産卵地として世界的に有名で、初夏には夜の砂浜で神秘的な光景が見られる。

北の脇海岸は阿南市に広がる松林と遠浅の海が美しい海水浴場で、夏には家族連れで賑わう。

Kitanowaki
北の脇海岸

桜の名所としては徳島市の西部公園が日本さくら名所100選に選ばれている。

眉山の麓に広がるこの公園には、約500本のソメイヨシノが植えられ、春になるとピンクの雲のような景観をつくる。

夜桜のライトアップも美しく、地元市民にとって春の風物詩となっている。

西部公園の夜桜
西部公園の夜桜

また、徳島城は日本100名城に数えられており、蜂須賀家の居城として徳島藩の中心をなした。

現在は城山公園として整備され、石垣や庭園が往時の面影を伝えている。

徳島城(徳島市)
徳島城(徳島市)

続日本100名城には、一宮城(徳島市)と勝瑞城(藍住町)が選ばれている。

一宮城
一宮城

特に勝瑞城跡は戦国時代の阿波を統べた三好氏の拠点として知られ、発掘調査によって中世の政治の中心地であったことが明らかになっている。

名刹と温泉──信仰と癒しが息づく地

徳島県は、四国八十八ヶ所霊場の「発心の地」としても知られる。

第一番札所・霊山寺は、すべての巡礼者が最初に訪れる場所であり、境内には「お遍路の出発点」を記念する石碑が建つ。

創建は奈良時代とされ、聖武天皇の勅願によって建立されたという。

寺宝の釈迦誕生仏像や本堂の装飾は、時代を超えた信仰の重みを感じさせる。

霊山寺(四国八十八ヶ所霊場第一番)
霊山寺(四国八十八ヶ所霊場第一番)

さらに第二十三番札所・薬王寺は、厄除けの寺として全国的に知られる名刹だ。

聖武天皇の命により行基菩薩が開いたとされ、厄坂を登りながら厄払いを願う参拝者が絶えない。

山門からの眺望は絶景で、太平洋を見下ろす光景は心を清めるような静けさに満ちている。

薬王院(美波町)

 

温泉地としては、神山温泉祖谷温泉が人気を集めている。

神山温泉は明治時代から湯治場として親しまれ、無色透明のアルカリ性単純泉が肌をやわらかく包む。

祖谷温泉は秘境の名湯として知られ、ケーブルカーで谷底へ降りていくと、祖谷川沿いに露天風呂が現れる。

緑の深い山々と渓流の音に包まれながら入る湯は、まさに自然との一体感そのものである。

祖谷渓(祖谷村)
祖谷渓(祖谷村)

このほか、鳴門市のあらたえの湯や、那賀川沿いの木頭温泉なども人気が高く、徳島の温泉文化は地域ごとに個性を放っている。

その他の見どころ──自然と文化が融合する徳島の旅

徳島といえば、毎年夏に開催される阿波おどりを忘れてはならない。

400年以上の歴史を持つ伝統芸能で、「踊る阿呆に見る阿呆」で知られる掛け声とともに、全国から踊り手が集う。

徳島市中心部は期間中、熱気と笑顔に包まれ、街全体が祭りの舞台となる。

阿波踊り(徳島県)
阿波踊り(徳島県)

 

また、祖谷渓の奥には平家の落人伝説が残る落合集落があり、茅葺き屋根の民家が山肌に点在する姿は、日本の失われた原風景を思わせる。

落合集落
落合集落

鳴門市の大塚国際美術館も人気の観光スポットだ。

世界の名画を陶板で原寸大再現した美術館で、モナ・リザや最後の晩餐を間近に見られる。

四国随一の文化施設として、芸術と観光を融合した新しい魅力を発信している。

The Otsuka Museum of Art20s3203-B-T
大塚国際美術館

徳島は、自然・信仰・芸術が調和する「日本の縮図」ともいえる地である。

渦潮に象徴されるように、あらゆる文化が混ざり合い、今もなおエネルギーを放ち続けている。

 

徳島県の観光地・名所一覧・地図
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